179回点盛り
千恵子
聖五月番の鳩の胸の張り 利○白正美◎
風孕む木綿のシャツや麦の秋 正○・◎
山背風吹く辻に餓死者の弔い碑 利○美○白
誕生の知らせ待つ夜のさくらんぼ 利正◎
ほととぎす朱肉の滲む納経帳
白美
追伸のインクの青さサクランボ 利○・
ボクシング中継を背に蛸を揉む 利千美
天を衝く風車林立山背風 利希
つきすぎ、天掻き乱し風車群とか
水色の縞のワイシャツ聖五月 利・
ただ在るは立山連峰麦を刈る
美穂子
遺影にも小さき賑はひさくらんぼ 利千◎
空見るは習ひのひとつやませ吹く 利○正
麦刈りて流れ変はりし風の道 利千
蹴る猫の尾に力あり青嵐
意味不明
坂道に負けし自転車杉落ち葉
転んだのか?杉落葉と負けるの関係が?
武甲
大仏の背に窓二つ山背風 利○千○
夏立つや岸を陣取る写生会 利・○
大声で始まる点呼麦を刈る
まるで北朝鮮の農業みたいだが、実は電気工事がこれから始まるのだとか
ためらひが語尾を濁してさくらんぼ
なにか、恋愛感情とかあるのか?
母の日や満車を知らす赤ランプ
希覯子
燈臺も官舎も白亜風光る 利◎
やませ待つ船双錨の備へかな 利○
双錨のなんて、海軍士官ここにありだね、親父に見せてやりたかったね
さくらんぼ種吹きとばす競ひあり
聖五月風樹の嘆をしみじみと
麦秋のワーテルローを訪ねけり
和博
贈答の茎の揃ひてさくらんぼ 希◎
振り返ること多くなり竹落葉 利○
芍薬の花に隠れて車椅子
大刹の影を時計に麦を刈る
山瀬風年の神への機嫌買ひ
利孟
列に付き賜ふ試食のさくらんぼ 白◎希○
ほどけ初め深山蓮華にあはき紅 白 
山背風声掛け捨てに選挙カー
鉢うちの土三升の麦の秋
五月闇携帯電話身悶えす
金色のジャンヌの騎馬像聖五月 利千希
やませ吹く夜半に左遷の内示受く 白○
ホントだってけど、どうも合点がいかぬ
麦秋や美瑛の丘の夕茜
オペラ座の屋根の蜜蜂耳肥やす
桜桃の暮れゆく空に八ヶ岳
美子
口角に埃の乾く麦刈婦 利○
麦刈りらしい感じがあるな
母固辞す祝儀値付けしさくらんぼ
悼・巣立つあり逝くあり顔の裏で哭く
早速のお悔やみおそれいります
山背風来る霧の奥より叫ぶ声
ムンクってか?
観ていない眼球硬し五月病
箏円
さくらんぼ背よりはみ出すランドセル 利美
立夏なる風を集めし風見鶏 利○
太陽を緑に染めてやませかな
ベクトルの向き定まらず麦の秋
内面的なベクトルかと思ったが、どうも、麦の穂の形がベクトルの矢印ということであるらしい
五稜郭馬鈴薯の花見え隠れ
説明的だし、五稜郭から見えるかね?