184回点盛り
美穂子 秋霖や映画悲恋で終りけり 利○美白◎ 「や・けり」はいけないですね、気がつかない宗匠はもっといけませんが、それを取る様では宗匠の資格が無いはちと言いすぎです 香の湿りたる青畳十三夜 利正◎ 青畳がいかがかと、ちょっと気になる 塗り立てのペンキに秋の陽の濡れて 利○花 影だけになりて鯔飛ぶ日は西に 利○ 手編み帽かぶり卒寿の薬堀り 利 手編みって毛糸を連想させるので野球帽くらいでもとは思うのです 白美 鰡飛んで河にクレーンの黒き影 花◎穂○ 鯔飛んでがあるからといって、黒い影が夕暮れの影とは読めないような気がします 秋霖や鳥の籠りし御神木 利正美 腹押せば歌う人形長き夜 利○ 最近はこんな人形簡単につくれるので結構お安いのですが、夜業の暇にこんな退屈しのぎもあるのですね 薬堀り腰のラヂオの大音量 花○ 中、下の言い振りがなんとも落ち着かない大音量というのが山の中でどれほどなのかイメージできないのです、それにしても、PCでのネット磴区のためか「掘り」が「堀」になっているのがおおかったですね 音はずれ躍るタンゴの十三夜 利 音外れというと、どうしても音程がになってしまって、踊りのリズムに乗れないとはなかなか理解できない 正 秋入日駱駝は長き影を曳き 利◎ 月の砂漠みたいでいいんでないの、あんまりこんなのばっかり取ってはそれこそ宗匠の座があやういけど 鰡飛ぶや文明開化は出島より 利○白 これよく出来てるね、季語の斡旋も結構収まっている 路地裏の店の小窓や十三夜 利 やっぱり、座布団でちょいの間の小部屋の窓って感じだね、そんなところにも月を愛でる瞬間があるんですね 秋霖や墨絵のごとく山烟り 白 パス 木曽谷に樵夫と出逢ひ薬掘る 利 きこりが薬掘りの案内をするのでというので、落ち合ったみたいな句です 美子 貝汁の殻開く音十三夜 利◎穂◎ カラヒラクオトとカラノアクオト滑らかさが違いませんか? 薬草にまだ花あるを引きにけり 利穂正○ 秋雨の音を聴きつつ歯科医院 花 歯を削る音を無視したいんですね、分かります 鶉食ふ考古学者と武道家と 情景は分かりますよ、だけど唐突なシーンを切り取るだけで感情移入できる人は、当事者を除けば僅少でしょう、まして詩を感じさせるのは? そつけなく鯔のこといふ魚売り 武甲 古代史の謎解く話十三夜 利穂美○ 満月になる2日前に王の墓の前に立て」なんて文書があったんですかね、ちと分からなかった 赤い羽根つけ教壇の実習生 利白○ まじめな教生ね、ネクタイ無しにワイシャツのボタン上まで嵌めてたりして 鯔ありて監視カメラの人の影 利 火力発電所の夜などこんな感じなんだろうね 腰の鈴手の鈴鳴らし薬掘る 美 体中に鈴つけてるってのがちょっと異様な感じでね 千恵子 掘りて来し薬草軒に尼の寺 利 潮の香のこもる湯の町十三夜 利 なるほどそうかもね 機窓より月低く見て旅の果 利 そういうことになるのかね、着陸時には上に見えるようになるとは思うけど 夕焼けのあふれる湾に鯔の飛ぶ 花 夕焼けは夏と指摘あり、ちょい手抜きかね 利孟 薬掘る父の刻みし鉈目痕 正 別売りの瓶に買ふ酒十三夜 白 車寄せまでの絨毯秋の雨 穂 鯔飛ぶや利根川渡良瀬川を呑むあたり 空つ茶と駐在に出す濁り酒