190回点盛り
美子
片割れといふ別れあり桜貝 利正白◎幸
なんとなく分かるような気にさせられるが本当に理解できるかというとそうでもなさそう、カタワレ、ワカレの音の重複、ラ行音が4つなど耳から来る面白さ
浮かれ出て蕎麦屋満席義士祭 利白○幸
浮かれ出てが、義士祭でお参りしての結果だとするとどうも?、やはり花見とは違うのですから
花の客作法のごとく会釈せり 利幸◎
親老いて荒れし測溝すみれ濃し 幸○
親が年取って手入れが行き届かないからという因果関係に同じ感慨を持つ人はいるだろうが、それを詩情としてそのほかの人が感じるか
誰彼と親しくなりし大桜
幸徳
逍遥の先に香煙義士祭 利美○
描割をわざわざ用意すると読みたいことがなくなってしまう、よく○○の散歩道などとやるが、まったく意味が無いことが多い
文一葉出しそびれおり桜貝 利白美
甍染め流れ落ちるや花あらし 利白美
見送りし土手のきざはしすみれ草 利*
見送りし土手というと、土手を見送ったということになる、俳句には時に特殊な省略もあるものの基本的には日本語の一般的文法の枠の中で読み解かれるのです
終列車ゆるやかに往き沈丁花 利○
白美
菫束グラスに差してスコーン焼く 利*◎
ちょっとハイソ?、洒落てるくらいだな、スコーンてのは焼きたて出なければ喰えたものではないから、わざわざ焼かなくても良いんではないかな
過去帳に知らぬ女性や花の雨 利正○美
たとうれば八百比丘尼桜貝 利◎
八百比丘尼が永遠の乙女であるという伝説を知らないと面白くも何とも無い、「永遠の乙女八百比丘尼あらば」とでも前書きしますか
義士祭や順路通りに墓をみて 利*
人多きところに集ふ花見客
利孟
花屑を掻きて輓馬の喘ぐ坂 正◎白*美◎
花の雨閲覧室に固き椅子 *○正
引く波の泡の一つよさくら貝
賽の目の点字ブロック花菫
そのかみに無きてふ蕎麦屋義士祭
「そのかみ」は当時ってことで、結構これ面白いんだが、一人くらい採ってくれてもって思うんです
三味の音の遠く花散る津軽の夜
地震の地の桜たわわに花をつけ
桜といったら、それは咲いているというのが暗黙の了解、たわわはその咲く様子だから意味はある
義士祭線香と人の途切れなく
名もゆかし詩歌に詠まれし桜貝
ハイテクの工場の庭に花菫