197回点盛り
利孟 蕎麦掻や残り計るに振る徳利 正白美直◎ 御降嫁の御列色をかへぬ松 白○正◎ 紀宮内親王御降嫁でござんすから 鷹渡る厚き煉瓦の廃兵院 美◎ 冬に入る官衙に白きビルの群 正○ 石蕗の花火袋狭き庭灯篭 白美 白美 雨戸繰る音の重たき今朝の冬 利○直正 鵜の瀬過ぎ京行く山路鷹渡る 利◎ お水送りの鵜の瀬は、鯖街道沿いです 柿剥きて言ひ伝えなど語り継ぐ 直 蕎麦掻や誰のサインの色紙なる 利 弔問の客立ち去りて石蕗の花 直 正 鷹渡る遠流の島の空の色 利白◎直○ 空まで良いが、色で×だ 川の音絶えし山居や冬に入る 白 唐辛子吊す庇に東巴文字 利 特殊、前書き、連作なら 石蕗の花沖の一里に帆掛け船 利 蕎麦掻を好みし父も今は亡く 直人 蒼穹を一筋に断ち刺羽去る 美○ さほどスピード感は無いでしょう 枯れ色に埋もる庭や石蕗の花 利正 高き実を雀に残し秋暮るる 利 蕎麦がきや竃に火起こす割烹着 利 立冬や新刊本に指を切り 利 美子 肉を裂く嘴風裂きて鷹渡る 利○ 石垣に十字の家紋石蕗の花 利○ 掌の油ウエスで拭ひ蕎麦を掻く 利 夏になるが麦こがしなら○かも、蕎麦を工業油の匂いの手で扱うというのが分からん 陽溜りに混血の猫冬に入る 利 山廻る径廻り来て水木の実