199回点盛り
直人 ほろ酔ひの母が歌ひし手鞠唄 利恵◎武 過去のことを追想する形は? 傾がせて初荷と初荷のすれ違ふ 利○白◎ 意図して傾けたわけではないでしょう 柏手の高く響きて淑気満つ 武◎ そうだわな 書初めや墨の匂ひにあらたまる 武○ 福袋抱えし数ほど夢あふれ 白美 岩礁の白浪はじく淑気かな 利○白◎ 駆けて買ふこと面白き福袋 利◎武 書初や赫い扱帯を襷掛け 利恵 湯気立てて上中下巻の本を読む 利 湯気立てなんてのを上手く読みましたね 養女話聞こえぬふりの手鞠の子 生々しく痛ましい 美子 貫之の臨書から入る筆始 利正◎直 淑気満つ男が拭きし窓硝子 利恵○ 襞多きスカート被せ手毬唄 利直○ 母娘てんでに下げて福袋 利 亡き妹の一つ年寄る初観音 観音様のお顔と同じく老けないほうがよいでしょう 恵一 書初や太く大きく犬を書く 利○正○白 太、大、犬の字の配合の面白さがあるね 格子戸を開ける響きも淑気かな 利○武白 なめらかに逸れた手毬を追ふ手かな 直 なめらかにの掛かりがあいまい、追う手のなめらかににならないか 大人びて聞える巫女の手毬唄 正 ? 用不用あはせて詰める福袋 利 お店の人なら「詰める」だが、普通には買ってあけてみたらの句でしょう 正 銘墨のほのかにかをる淑気かな 利直◎恵 かほるでなく、このように「かをる」が正しい用字 福袋開けて目覚めし初枕 直 人日やハチ公前に人を待ち 只ごと そのかみの小町娘や手毬唄 自詠句に古墨を下ろし筆始 利孟 井の底にゆらめく光淑気かな 正白○ 嵩ばりを福のひとつに福袋 恵 スカートに毬入れて止む手鞠唄 白 風溜まる丶に氷の心字池 「丶」は「ちゅう」と読んで、心などのポツのことです 書初や座右の硯を子にとられ 武甲 曾祖母に抱かれし写真手毬唄 利正 付き人に幼児ひとり成人の日 利 ヤンママってわけね 鉢巻で淑気を縛り塾詣で 利 福袋気をもみ並ぶ最後尾 少し表現を工夫したいですね 書初や一筆書きの師の言葉