204回点盛り
利孟 花胡桃北斎が手の天井画 か◎美正恵白 風帯の折癖ゆるみ梅雨に入る 白か直○美正 夏至の夜のカードに紡ぎ出す話 カードといえばタロットでしょう、分かんなかったな エンジンを止めて水路へあやめ舟 横腹の箸の刺し傷水羊羹 やっぱり食欲湧かないね 直人 黒南風や眉引き紅を濃くさして 利正◎ 唐臼の槌音間遠く梅雨入りかな 利か美○ ツチネと読まないと中7に整わない、ツチネは湯桶読みですね、小鹿田の筧式の唐臼ですね 夏至の日やあくび一つが伝染す 利か○ 次々に移っていくより、おっとあくびが出ちゃったくらいで 陶を焼く煙天まで花胡桃 利恵 窯焚きの煙は猛然と上がるが、それを詠んでも手垢がついているわけで、なにか発見が欲しい 玻璃皿に滑と艶おび水羊羹 ハリザラはどんなかな、ヌメトツヤというのもうるさい 美子 手子(てこ)は皆男衆ばかり井戸浚へ 直恵白○ ただ景があるだけのような 黒文字の斑の湿り水羊羹 利○白 マダラノシメリは口に煩わしい 焼き甘き濁手の肌梅雨に入る 利正○ 濁手といえば柿右衛門で分かり安いね 長き穂の雄花の青さ花胡桃 利 雄花の花ってのを解消したい 喫茶室混み合ふ夏至の美術館 利 あっさりできている 白美 梅雨空やきつぱり捨てる本の帯 利○恵○ 雰囲気分かるがきつぱりかなという思いは残る 篠笛の音色ふくらみ梅雨に入る 利○直 日本の楽器てのは雑音が大事なことが多くて、きっとそうなんだろうね 数式は因数分解花胡桃 野美直 ぷるるんと皿に落ちるや水羊羹 正 缶詰のやつね、あれは水羊羹の喉越しのざらつきに欠けると思う 型紙をワンピースに裁ち夏至来る かめ 風の意のままに落ちけり花胡桃 直◎恵○ 夏至の日の書を読み終へてカフェテラス 利◎ 日がな本を読みつづけたカフェテラス、読み終えて珈琲を飲みにカフェテラスへというのでは面白くない 極上の名水食す水ようかん 利 午睡する脚の重なり幼稚園 利 午睡っていうのはなんとなく大人っぽいでしょう 入梅や下駄箱に足す備長炭 正 やはり不快臭が残っていかんね 正 胡桃咲き別荘村に人の影 利白◎直美 押しなべての景で収斂していない 喝筆の果てに墨継ぐ梅雨入かな 白恵◎ 一句としては良いと思います、だけど正さんには喝筆の句が他にもあり、決め台詞に使うのは反則です よもすがら騒ぐ夏至の夜プロヴァンス 利 よもすがらは夜と重なります 後輩に負けじとばかり遠泳す 手造りの水羊羹や母の味 手作りなら母の味ってのは、いかがか 恵一 ハイカーの忘れしタオル花胡桃 利○美◎ 大きな胡桃の木の下で一休みしたハイカー、その白いタオル 夏至の日の頭にひびくミュールかな 利か白 よく分かるから共感点だが、さほど詩的深みはない 障子開き水羊羹のあらはるる 利 水羊羹が盛られた皿がBGMにのって開いた障子の向うにあるみたいなコマーシャルになっちゃう、ちなみに障子は冬の季語 ほの青き波や梅雨入の浮御堂 利 きれいな景です ダービーの終わりて夏至となりにけり ダービー(優駿競争)は季語です、夏至は忌日と考えるには重過ぎるでしょう 里佳 打ち水に誘われ求めし水ようかん 利 打ち水は夏の季語ですから、同じような雰囲気で