205点盛

205回点盛り

  比呂四
打水の仕舞ひは木桶ごと打てり 利○武◎恵白◎
開いては閉ぢては思案の扇打つ 利◎正◎
手を上げて返事に代へる大暑かな 利武恵
和菓子店日除の空き間より入りて 利美○
切り分けしまま俎板に盛る西瓜

  正
大暑かな閻魔大王舌を出し 利○美◎呂◎武
トロ箱の積まるる河岸の明易し 正○
打水や百年暖簾守る店
百年暖簾なるものがあるかにも
ビストロの日除はワインの色をして
塩振つて西瓜の甘みいよよ増し
今塩を使うってしないでしょ

  直人
驢馬が引く山盛りの西瓜(ウリ)アナトリア 利○美正
アナトリアまでいれて、西瓜をウリと読ませるのはいかがか、景が良いだけにもったいない
托鉢も足早に過ぐ大暑かな 利○正○
も」では大衆の中に埋没してしまい焦点が定まらない
踏み石に打ち水をして誰や来ぬ 白○
誰や来ぬって観念的で常識的
交叉する英雄の跡夾竹桃

  武甲
音ゆるきジュークボックス日除窓 利○恵
梅雨出水跳ねて高さを競ふ群れ 利◎
群れでは分かるようなわからんような
手で量り叩きて選るスイカかな 利○ 
やはり着目させるものが無ければ
差し入れはポカリスエット大暑かな 利恵
現代的ね、ポカリも分かるでしょう
打ち水や吊灯篭の店の声
吊灯篭屋さんみたいです

  美子
打水や猫肉球を振りて去る 利恵◎
去ると方向が見えない
大暑なり鴉の嘴の半開き 利呂○
なりでは因果関係が見えて面白くない
日覆の外練り歩くちんどん屋 利○
手を添へるだけで立ち去るパナマ帽
手すさびに西瓜育てて休肝日
西瓜は一日にしてならずですが

  恵一
日覆をはづして富士を仰ぎけり 利呂白
ひとの顔大暑の顔といふもあり 美白
抽象論、川柳としては面白い
やはらかに打ち水止めし会釈かな
やはらかには、会釈に掛かるでしょう
したたかに大地を打ちぬ西瓜割り
打てるとすると土竜打ちめいて最初から地面を狙ってるみたい

  白美
嫁がせて西瓜ひとつを持て余す 呂正
分かるが理
割り箸を割るも気だるき大暑かな
袖丈の足りぬ浴衣や大広間
大広間というからには宴会場
ピザ焼けて赤と緑の縞日除け
打水や赤坂黒塀料亭街

  利孟
日除け延べながら開店弁当屋 正美呂
部屋内の暗さの深き大暑かな
祇園会の稚児あやつられ注連を断つ
誰が来るでも無くもとめ大西瓜
打ち水の余り水もて流す足