208回点盛り
白美 霜降の小児病棟灯の消えず 利美◎恵◎耕◎武 よく分かるけど、病棟の灯という素材が良く使われるので 濁湯に乳房沈めて秋の宿 利○比耕 狙い通り点を集めました 朝寒や二切れ飛び出すトースター 利◎ 着眼が面白い、ちと添削でも成功したとは言えないが 栃の実やリボン靡かせ騎馬婦人 リボンの騎士かと思っていたら、ロンシャン競馬場へ行かれた話で、誘導馬の女性と分かりました、優雅で良かったですね 透明な三角定規小鳥来る 三角定規前にもありませんでしたか?、透明のでは当たり前でしょう 利孟 橡の実の落ちて信号変りけり 比◎美武 ローファーの踵つぶす子朝寒し 恵耕武◎ 霜降や自転車駅へ列なして 白○恵武 木と土と藁でなる家小鳥来る 白比 清記が藁になってませんでしたが、ご理解いただきありがとうございました 昼の虫途切れて倶楽部談話室 武甲 霜降や下山を知らす着信音 美恵○比 着信音だけで下山したって分かるのは打ち合わせてなければ駄目、神通力が有るわけではないのだから、という意味でなんのことかは実は分かるのだけど言葉が足りません 国道をまたぐ電線小鳥来る 利○美○ 電線音頭でパスした人も多いようですが、響きように、電線の有りよう修一 朝寒の両手で包む缶コーヒー 利 栃の実の苦味かすかに舌を刺す 利 秋桜やラリーの後の大拍手 利 自動車ラリーか、テニス、ピンポンのラリーか分からなかったが、いくらか分かるようでしょう 正 古九谷の福の一時や小鳥来る 利○耕白 福の字を意匠にした古九谷は確かにありますが、それでは素材に凭れすぎです、常識ではありますが、底を返してみての発見の方が良いと思います。他に臭いという評有り 微笑みの円空仏に秋惜しむ 利耕○ 「微笑みの円空仏」って写真集を利孟は持ってます、それくらい月並みな発見ですから駄目です 橡の実や一木彫の四天像 比○ 一木彫(いちぼくちょう)という言葉あるのですね、でも栃の実と、一木の即きすぎが「四天」への挨拶としてもいかがかと 霜降の水の冷たさ顔洗ふ 利 水の冷たさでは当たり前すぎて、ブルの藤澤さんの別荘風景ならば可 朝寒や熱き珈琲ブラックで 美子 山城址栃の実あらん限り降る 利白◎ 立札に売地とありて小鳥来る 利武恵 石蕗は黄に紋切垣の櫓門 利 小走りにゴミ出しに出て朝寒し 利 生活周辺句では、それなりに楽しさ、面白さ(諧味)が無いと生活臭が出てつまらない、ゴミ出しなどは、素材として難しい 霜降を過ぎて忙しき庭仕事 比呂四 霜降や樂歴代の名品展 利○白 名品展ではなんぼの句でもないが、こんな風にすれば、展覧会での勉強が発見になります 細き身の揺れ止まらず吾亦紅 利 確かに吾亦紅の茎は細いけど、身とは言わないでしょ 栃の実や頭上をかすめ地を打てり 利 朝寒や剥ぎ取る妻の掛布団 元句では単なるDVです 読書する視界の隅に小鳥来る 単に見えたというだけでは?、どんな本読んでたとかを 恵一 霜降のひかりに菊の末枯れたる 利○ たるでは、ひかり故のという発見が見えない 駅前にネオン点りて小鳥来る 利美 最近多いですね 鶏頭に遠山いよよ藍ふかき 利 鶏頭との対比で遠山が藍色だというのはうるさい 朝寒や葉先に澄める水の玉 水澄むは季語だし、水の玉って露のことでしょ 栃の実の岸辺に寄るを沖へ投ぐ 耕平 霜降りる予報に心故郷へ 利 心などと心情の中身もないままに使われてもね、なお兼題は「霜降」で、霜降る(霜の傍題)ではないですから 妻と立つ谷川山頂天高し 利 妻と立っても、他人にはさほどの関心事ではない、谷川岳を装飾することをかんがえませう 朝寒や湯檜曽の瀬音澄渡る 川、岳など入れて表記し、読まないというのが俳句では常套手段です 栃の実を食して巡る上州路 栃の実は一般に食べないです、それを食料として上州路を回ったというのは難しいでしょう 初孫を抱きし庭や小鳥来る 孫俳句は当会では取りません、同時に、この庭で初孫を抱いたんだったなあという懐旧を抱きながら佇んでいると、小鳥来るだよって句なんです、文法的には 直人 新蕎麦と墨痕誇らし門前茶屋 利 誇らしって、新そば粉なぞ誰でも手に入れられますぞ、門前茶屋はこう手をいれましたが、音数の問題ですので上手に改称してください 朝寒や物干し台に猫と月 霜降や刈田に番の鵲(サギ)舞ひて 鵲はサギにはあらず、刈田、鵲と季語があり、忌日の霜降をカウントしなくても季重りです 栃降って手枕を解く縁の先 ちとごろ寝には季節が遅いのでは?