209点盛

209回点盛り
美子
小雪のブーツファスナーきつく締め 利武◎正◎
ブーツファスナーという造語がいかん、ファスナーをきつく締めるなどということもわけが分からん
冠雪に笠雲目深富士暮色 直◎武
目深?
波郷忌や胸板薄き百済仏 利◎比
百済仏が肺病な訳ないけど、胸板薄きの華奢なつくりに何かが見えるこの雰囲気の響き合いが良いですね
初しぐれ撃ち抜くやうに飛ぶ鴉 利直○
撃ち抜くようにというスピード感が鴉にはあるか?
ブリキ缶湯気もうもうと鴨毟る
湯気もうもうとで良いですがね
利孟
餌を与へられては鳴いて囮鴨 比美正○
旧町で回す世話役初時雨 正美◎
小雪やコニャックに浮くコルク滓 比美
波郷忌や当たりの固き駅の椅子
伊勢はしも美し国とも守武忌
武甲
鴨渡る池の詰所の双レンズ 利耕直
双レンズってのが、業界の用語であるのかと思ったが、言葉が出てこなかっただけとか、双眼鏡で十分でしょう
スタジオは昔ながらに七五三 利○耕
スタジオは、写真スタジオとは限らない、古めかしい感じだというなら、古色蒼然なども
初時雨畝の乾きを癒し行く 利比○
小雪やデコレーションをまとふ街
野火止のありし武蔵野波郷の忌
野火止用水っていまでもあるでしょう?
耕平
買出しの袋ズッシリ初時雨 利○比◎
擬態語、擬音語は、既製品を使ってもだめ、それ自体に新鮮な響きがなければ
波郷忌や長き生命もそれぞれに 武○
老眼に眼鏡新調文化の日 利正
小雪や湯気上る売場威勢よく
わざと見世としました、中8は駄目だということが大原則です
また一羽白き川面に鴨降りる
霜柱ぐしゃりと踏んで波郷の忌 利美○耕○
「忘れ傘」差したや京の初時雨 利直
知恩院の『忘れ傘』なのだそうですが、それだとばかばかしいだけの句になりかねない
鴨の声暮れ行く池にしばし満ち 利○
我が年と同じ干支の賀状書く
ゑとなら子丑寅の十二支をも意味するが、かんしというと、十干十二支でこの句ではまさか、藤沢さん来年が還暦ってことはないですから、120歳ですよ
小雪や宅配便でとる野菜
京野菜だそうですが、そう書かないほうが品が良いですよ
白美
波郷忌や小へらで崩すもんじゃ土手 利○直
もんじゃ土手はいくらなんでも無理です、小へらでくづすが良いのですが
初老なるバーのをんなや初時雨 利武
初老=40歳ということで面白い、バーのマダムにすればとの提案は当たり前で面白さにかける、
小振りなる岩手の馬に小雪かな
比呂四
小雪のプラズマ画面冴ゆるかな 利○ 
東芝Kプラズマテレビ「ヴィエラ」のCMの小雪をかけた遊びの句、あのCMあるいは小雪ファンとしての宗匠は○に留めるという程度の見識を有しておりますが、採らないというのが本来の見識かもしれません
混雑の車線片側黄落期 利正
水際に足跡重ね鴨の群れ
鳴き声の箱よりかすか初時雨
皮切りに牡蠣鍋囲み波郷の忌
直人 
ゲームのごと人殺す児や波郷の忌 利正
響き合いが見えなのと、時事句としても?
わらわらと鴨の群れいて鴨見えず 耕武
木枯らしや幼き文字が別れ告ぐ
歴史的に記憶に残るような子供の遺書では無し、いじめで死ぬくらいの遺書を詠んでも?
肩ならべ駆け出してみる初時雨
話しかね行きかねている小雪かな