210点盛

210回点盛り
恵一
畳屋の帰り支度や冬至の日 耕比◎武◎美◎
宗匠以外満点となり、それも高い評価、畳屋の帰り支度やでは、一体何なのか理解できない、冬至だから早く暮れるので早々の帰り支度ならそれでも良いけど、そう詠んでほしい、枠を崩して仕舞う、太い針を数えてでも何でも良いけど、この手の詠みようは、連句などの前後の流れの中で雰囲気を受けて出てくる言葉遊びみたいな古い感じが強い
湯豆腐や無口な友に酒を注ぐ 利耕○比
やはり、絵は二人でしょう、宴会で話の輪から取り残されてるのに注いでやったというの句にしても臭いだけですから、そうであればこんな風になりそうです
コンビニにおでんの匂ふ夜更けかな 利○
古暦瓢湖につどふ鳥褪せて
古暦鳥の写真の色褪せて、古暦瓢湖の鳥の色褪せて、「鳥褪せて」ってのは不可解、古暦、瓢湖の取り合わせは無理がある
武甲
はなまるが囲む記念日古暦 利◎
年末の忙しいときに花丸の記念日があるというおかしさもふくめて
冬至風呂少し気をもむ長湯かな
分かるんです、長湯して具合でも悪いのかなという心配、でも少し気をもむが落ち着かない
開運を願ひ火を打つだるま市
開運を願いって当たり前すぎない?言われてみればそうかもね
コンビニのレジで買ひ足すおでんかな
おでんはコンビニで買うもの、それもどういうわけか棚に無くてレジで取り分けてもらう、コンビニの販売スタイルの中で特異な商品をクローズアップするにはこうでしょ
ねんねこや頬まだ赤きやすら顔
比呂四
湯豆腐の土鍋の泡に踊りけり 利○耕
ねんねこに二つの温み合わさりて 利○美
おでん鍋当地自慢のタネ入れて 利武
ネをコに入れ替えると具体的になり、当地がなんとなく見えてくる、蛸には限らないのですが
キヤンドルのアロマ漂ふ冬至かな
果敢無さや紙一枚の古暦
大喜利のお題頂戴みたいな句
美子
おでんやの隅に陣取り一人客 利武○比○
その席は馴染みの某の席ってのがあったりしていて、一人でも陣取るっていうのが良く分かるんだよね、かといってほかの客の迷惑になるわけでも無くって人が
冬至かな地蔵の帽子新しき 利○
かな、やの切れ字で句を分けると、下句を終止形で止めると切れが強くなるケースでは連用形などで流してしまうほうが良いことがあるようです。冬至は一陽来復でもあり、どん詰まりであると同時に新しいものが動き出すときでもありますから、寒い中というだけでなく新しい被り物、涎掛けが供えられるのも不思議ではありません
投了の後の勝敗年忘
いろいろ事情があろうが投了で勝負は付いてるから、そのあとは手筋の検討というのになるのでしょう
一回りしてねんねこの静まれり
割烹着買ふ赤札屋古暦
年用意に割烹着もセールになるのを買って来る、添削の形が源句だそうで、ひねりまわした結果が難解になりすぎたってことですか
直人
古暦妻を見舞ひししるしのみ 利美○耕◎
直人さん奥さんがお悪かったとはとは存じ上げなかった、もしそうでないとすれば、俳句の基本は一人称ということで作らないほうが良い類の句です。なお、見舞いしと過去形にすると、見舞いの記録のごとくで、古暦をみれば結果的にそうなってはいるが、ちと奇異です
友のため挙げし杯おでん煮ゆ 利美 
友禅に川面華やぎ冬至かな
友禅流しは冬の冷たい水でみたいな季語性がありそうな気がしたのですが、友禅を染めればその作業の後に必ずこの工程があるのですから、季節は問わないのですね
焼け残る弥陀の頭に時雨かな
本能寺の変か?、分からん
耕平
講釈も煮立てて味へおでん種 利○
おでんは煮立てない、家庭ではおでんは鍋物として扱わないのが普通となれば、店の亭主か女将の味の講釈、このあたりが落としどころ
風に散り風に遊ばる枯葉かな
予定された言葉のみ、町の句会で出せばうけるでせう
雨ぽつり益々暗き冬至かな
ぽつりは幼児語的でいけません
リビングで一人細りし古暦
ねんねこで眠りし赤子世の宝
子供は世の宝、どこからそれが実感されたのかのごときことが詠まれなければただごと、教訓でしかない
白美
複製の絵の捨てかねて古暦 利○
一枚ものなのか、結構美術印刷ものの贅沢なのが一部の顧客に配られていますよね
男子寮舎監の老ひて冬至かな
馴染み客たがいに譲るおでん種
あったんでしょけどね、なじみ同士ならバッティングしない気もしないではない
「老ゆ、悔ゆ、報ゆ」や行に変化するのはこの三つだけ、そして、互いにはたがひに
山頂の白くなりたる冬至かな
形ができてるけど、初雪を言ってる程度のことですね
寡黙の人大いに喋るおでん酒
大いに喋るという言葉の組み合わせが奇異に感じられるのだが
曼荼羅図一枚残し古暦
思ひ切つて株の損出し年用意
俗なだけで、なんの俳諧味もないのでは、体調不良の反映ですね
人の名を思ひ出せない年忘
利孟
ねんねこに埋もれ子宮の温さかな 比武
自信句だったのですがね
やうやくに匙の握れて冬至かな
割烹着替へおでん屋の出す暖簾
そこここのメモの剥ぎあと古暦
二人乗りバギー堰く道つむじ風