211点盛

211回点盛り
美子
戯れに我流の書体女正月 利耕○比ケ
書体てのはいかがか?
嬰児の翠の瞳子日草 利耕◎
松の千年の緑の生命力と子供の成長ね、言葉遊びですけど
寒灯下ひりひり嗤ふ煙草の火 利○ケ耕
ひりひり嗤うに何を見るかで評価は分かれるでしょうね
大寒や窮鳥のごと子を抱く 利○
窮鳥入懐をもじっている、この手の機知俳句ははまると面白い
錆釘に鮟鱇の口吊切
吊るし切りの説明ですね、錆釘を使ってるのが一ひねりでしょうが
恵一
鮟鱇の皮のどろりと海匂ふ 利◎耕美○
市場に並べられた鮟鱇の様子がユニークに活写されている
着ぶくれの子らがバスよりこぼれいづ 利○美比○
ころころダウンのジャケットなどの子供が芋虫が転げるみたいでおもしろい
大寒の靴音尖る月夜かな 利直
月夜は秋ですね、上中句のフレーズの良さが入選です
新しき鉢を買いけり子の日草
火事を見て眠れぬ夜となりにけり
白美
大寒の海に善女の屈み入る 利◎武直
寒行、禊の女性のしぐさが良く見えるね
鮟鱇喰ふ今日は大洋荒波か 耕直◎
気持ちは分かるだけど、中下句の表現が全然練れていない
龍笛の歌口朱し子日草 利○
龍笛は横笛の代表、雅楽など貴族的な雰囲気と宮廷行事との響きは面白い
栄耀は一炊の夢枯芙蓉
一炊の夢に栄耀栄華は含まれているです
火襷の小壺に傾ぐ水仙花
鮟鱇の貌を忘れて肝を喰ふ 利比◎ケ◎
これが◎を取るとは意外、貌など忘れでは面白くもなんともないのだが
輪になつて踊る子供等日脚伸ぶ 利○
冬至祭りなどでこんなのあるんでしょうかね、輪になって踊ろう」というのがくさいフレーズになってますけど
これ以上生きて詮無し子日草
まあそうかもしれませんねー
大寒の街角に佇つ夜の女
どこか、ヨーロッパの大都会の裏の話になるのでしょうが
薪ストーブ焚いて心に火を灯す
心に火を灯す?
利孟
灰鎮めながら火煽り火吹竹 武◎美◎比
萱山の腹の陽だまり子日草
萱山>中腹>陽だまり>子の日草という収斂を見てください
風花や引かねば開かぬ列車の扉
鮟鱇の動く温めし水脱ぎて
大寒や一芸といふ甘き道
比呂四
尻餅をつきし童女や子日草 利美○
火加減を灰で操り掘炬燵 利美直
灰で火加減は火鉢でも囲炉裏でもですよね
鮟鱇の腸をさらして吊られけり
背ナ腰に膏薬貼りて寝正月
大寒の血流弱く這い起きる
耕平
吊るされる鮟鱇憮然競りの朝 利武○
競りでは鮟鱇を吊るしません、競られた後には吊るされるなどと勝手に時間を動かしても俳句はそんな時間の経過を予定しません
境内の焚火の番やコップ酒 直○
落葉焚きくらいなら酒飲む間もないでしょう、境内のとか状況説明は余分なのです
理由ありて二人で手分初箒
理由あり、二人とくれば不適切な男女関係としか理解できない、掃き掃除の分担に理由があるてのは更に分からない、勝手なことを書いて読み手の想像に任すというのは、創作とは言わない
ベランダに葉食む鳥来て子の日草
ベランダの葉って菜っ葉でも作っているのか?子の日草との距離はどうなの、支離滅裂
大寒やブランコゆっくり揺れるのみ
ブランコは春の季語、季がずれてしまいます
武甲
鮟鱇や襟立て並ぶ馴染み客
なじみ客はうるさい
大寒や炭焼く小屋に立つ狼煙
炭焼きに化けた隠密が狼煙をあげている?
下山急く隊の無線や寒波来る
作者武甲となればおのずと分かるのだが、寒波が来るから下山を急ぐは当たり前で面白みに欠ける
煩悩を断ち切る火炎どんど焼き
そういうものでしょ!と言えばそのとおり
子日草主役不在の鉢の列
直人
大寒の故郷固く戸をとざす 利武
らしい俳句ですが、思い入れが強すぎます
ふと添へし手に香の残る子日草
ふと」は俳句そのものであるから使わない
骨のみの鮟鱇風にいたぶられ
口だけで、骨も刻まれちまう!そのとおり
含羞の頬鮮けし初天神
受験生の天神参りだろうが、含羞の・・は分からんね、そう見えるかね?「あざらけし」
埋火やまだ指先に揺蕩ひぬ
何が揺蕩ふのか、埋火とどうつながるか?