218回点盛り
比呂四
水密桃顎突き出して喰みにけり 利◎白美武
秋立つやソプラノ歌手の声抜ける 利武◎
熱弁の声の重なり熱帯夜 利白
尾を上げて陽射しを躱し赤蜻蛉
そう見えたとか
終戦日話題を逸らし卓囲む
卓が食卓、麻雀卓??から分からない
白美
一汁で済ます昼食終戦日 利武美◎
一汁で済ますという計らいは?
流星の落ちゆくあたり小舟の灯 利◎
水蜜桃正座崩さぬ客にだす 美○
立秋や弦楽奏の小ホール
弦楽奏って音楽みたい
こまやかに馬房消毒熱帯夜
利孟
刃を立てて皮に手掛かり水蜜桃 比◎
エアコンの吐き出す熱気敗戦忌 白◎
曲終り回るレコード熱帯夜 美比武
立秋や二つ入れ子に衣装盆 美○
向日葵や壁に窓無き焼却場
火葬場ではという意見もあるが、まあ、ごみの方が規模が大きいんですね
美子
論客の酔ひ潰れけり終戦日 利◎比○
ビル街の屋上に生る夏野菜
頑なな背筋睨み熱帯夜
水蜜桃と叫び素となる女史の貌
女史という仮面、物語があるが情趣というか?
立秋の漣小さき陰持てり
箱詰めの桃の吐息の甘さかな 利比白○
山国や石臼で碾く走り蕎麦 利白
重臣の日記繙く終戦忌
重臣?
水蜜桃水美しき国に生れ
水水、くさい
秋立つや恋人たちのゐない海
耕平
古里の青田に立ちて遠会釈 利武○
古里は要るか?
立秋や銀座閑散空は青
皮剥きてひたすらすする水蜜桃
仏壇の父の苦労や敗戦忌
我々世代なら、父といえば半分は死んでる、若い人が言えばいやみな句、いずれにせよ仏壇のなどは余分
サイレンに目覚める記憶終戦忌
武甲
仰ぎ見る空にすきなし残暑かな
かなは一般に一章で仕立てる方が良い、無し」と切るのは考え物
秋立つや豊漁に沸く競りの市
熱帯夜止みては動く室外機
ぷるぷるの水密桃を頬ばれり
オノマトペは余程の独創性が無ければならず、形容詞もそれに似ている
恵一
少年の折り進みゆく花すすき
折り進み行くは、折ったり進んだりという同時進行を感じる
秋立つや垣根を箒はらふ音
ちょっと乱暴にも
不機嫌な子のてのひらに水密桃
に」とすることで機嫌取りのように見える
終戦日生死を分かつものありや