228回点盛り
利孟 結納の盆に爪たて金亀子 義◎比◎美◎ 床の間に荘ってある、灯も点っているてな状況だったらと 百合の香や身の丈ほどの歩荷の荷 正◎美 百円と晒に墨書甘酒屋 正比美 梅雨晴れ間いつもので出るせいろ蕎麦 美○ ひとつ香に満てる大部屋泥鰌鍋 美子 百合の口形状記憶のごと緩む 利義 また形状記憶ね、いつか言いのが出来るかも 声高の客の口上金亀子 利比 夜に客が口上といえば、弔問でしょう、それがなにやら張り切っているみたいで 甘酒に問はず語りの初遍路 利○比○ 遍路が季語であることからちと難しいかも 兄見舞ふ車窓に麦の黒穂見ゆ 利 見えるは言わずもがな 酒好きの髭を撫でつヽどぜう鍋 義正比 義春 金亀子祖父母の部屋の豆電球 利◎ 年寄りの隠居部屋の常夜灯、金亀子の配合がよい ハイカーに道を譲りて百合の花 利○正 譲るというのは擬人的で? 甘酒や仲見世ありて浅草寺 利正○ 仲見世から浅草寺、うるさいね 子供たち法被もらひて祭りかな 利 本番に法被を着せてもらえる、そのあたりの物語は伝わらないね 泥鰌鍋蓋取りしとき声なくて 利 泥鰌鍋って、家庭で作っている人は普通の鍋に蓋をしたイメージ、外で食べてる人は、薄い鐡鍋にびっしり並べられたものをイメージしていますね 比呂四 硬き殻閉ぢていつもの金亀虫 利○ 合体ロボみたいにガチッと構えたってことか しつとりと濡れし唇百合の花 義○ 共通性があるといえばあるが、配合として、性的な感じがうまく伝わってこない 整列の左に向きて泥鰌鍋 利○ 着座してため息ひとつ冷房車 利 掛け暖簾絵文字で記し甘酒屋 利 □に/を入れて「マス」なんてののことらしい 正 麓まで来て甘酒に生き返る 利○義 やはり降りてこないと駄目でしょう 光背をそびらにほとけ夕薄暑 利 まあ、俳句らしい言葉を並べた努力賞、中身は無いね 夭折の佳人の墓に百合手向け 利 手向けまでいってもね 老いてなほ父は好めり泥鰌鍋 美 金亀子とぶ金亀山極楽寺 夜の雰囲気が極楽寺になくて遊びが成功していない 恵一 申請の書類進まず夜の百合 利◎ 書類山積みとしてみたが、申請書類を書いている側という鑑賞もあり、かように 甘酒や我にもありぬ消化管 利 まあ、いつもの手か テーブルの硝子にあがく金亀子 利 捕虫網山の斜面を右左 利 遠景なのね