236回点盛り
美子 後ろから詠む遺句集や春寒し 利義★比 飴色の指に編まれて凍豆腐 利比★ 足裏を見送る余寒治療棟 利恵◎ 席題と言ひて振舞ひ桜餅 利恵◎ 皺深く笑ふ長老野火のあと 義◎ 利孟 長靴の焦げる臭ひや野焼き守 美義恵比 嘘泣きの涙の味のさくら餅 比◎恵義 石組みの隙に足す土春寒し 美◎ 煮含めし味に陽の味凍み豆腐 美 江戸東京博物館の雪の富士 恵一 卓袱台の下の暗闇桜餅 利美★ 野火走る富士をわづかに烟らせて 利★ 春寒や石塊乾く社宅跡 利美 社宅跡? 凍み豆腐庭を眺めて手酌かな 比 東雲にうつ伏すもある冬すみれ 利 比呂四 春寒や足湯に戻る血のめぐり 利 野火の焔の重なりあひて駆け上る 利◎ 干し竿の端に吊るされ凍豆腐 利 節分の全身で泣く男の子かな 義 祝句としては上出来 帰宅して書斎にひとつ桜餅 利 義春 雛人形部屋いっぱいの平安京 利恵◎ 野火ありて三河の畠うねりけり 利◎ 暗闇に軋む音のみ凍み豆腐 利 春寒し村のせせらぎ水すめり 澄む>秋 さくら餅もうひとつと手を延ばし