238点盛

238回点盛り
美子
漕艇の若人の声瀬田蜆 利恵○義★
ボートだと夏、レガッタも季語とちと苦しい素材だが
足袋作務衣干され青々春大根 利◎比恵
弁当の包みに訃報花曇
訃報記事まで書かなければ新聞が出てこないでしょう、今時新聞で弁当なんてのは分からないだろうから
改修を刻む墓石翁草
これは駄目、報告
旺盛に大根咲けり島の墓
比呂四
寸胴の水の重さや春大根 利◎恵★美
児の丈にしやがんで愛でし翁草 利恵 
朝支度早々に終へしじみ汁
デビューの夜胃痛和らぐ花明り
輪郭のかすれの先の花曇り
武甲
花曇る大気震わす発破音 利美義
裾捲るビニールトンネル春大根 利★
制服の丈詰め直し入学す 利比
お下がりなのですか
朝市の値札幾度も蜆売り
恵一
春大根首をつかんでさあ買えと 利◎
叱られて帰る野道や翁草 利義
無数の蜆無数の砂を吐きにけり
蛤が気を吐くというのはあるが、蜆がそこらを一面に埋めている感じだな
溶接の青き火花や花曇り
花散るや二尺四方の墓分譲
義春
菜の花や遙か山並み呑む如し 利美★
花曇ネクタイ弛め昼寝かな
昼寝は夏だし
春大根おろして一人朝食かな
さみしさを揺れて耐へるか翁草
翁草は群生しやすいです
身体にも良しと二杯目蜆汁
標語やコマーシャルではないのだから
利孟
鉄管が支へる蛇口春大根 義◎比★
一斉に闌けて大小葱坊主 美比◎恵
矍鑠と天衝く絮毛おきな草 美○
リヤカーに秤と枡と蜆売り
こりゃだめだね
花曇線路に木戸の勝手口