241回点盛り
利孟 霧籠めの小屋手渡しにウィスキー K◎義◎美◎ 新米を握る手塩をざらつかせ K○比◎美 秋彼岸布施米受けの麻袋 美○ 切り取らるための根絡み貝割菜 美義 倒伏の稲かかへては抱き起こし K 美子 朝霧の裾を捲りて猫の貌 利◎ 丁寧に丁寧に鳴く秋の蝉 利義○ 杓文字よりねつとり零れ早稲の飯 利○ 飯といわずとも炊いたご飯とは分かるでしょう 汁椀に二日続きの貝割菜 利比 駆け出して墓地に迷ふ子秋彼岸 利 恵一 飛行機雲ひろがりやまず稲の秋 利○義 秋彼岸をんなと歩む女坂 比義 だからどうした、女の正体が全く分からん 工場のベルトに青む貝割菜 利○ 喧嘩止め母新米を炊きはじむ 利 ヤメ、トメいずれにも読めるので解釈に困る、ヤメだと夫婦喧嘩、トメだと子供の喧嘩 山霧の薄れゆく谷オクラ咲く 花オクラも季語と見たほうが良いでしょう 義春 我先と陽を求め合ひ貝割菜 利○美 新米の湯気匂ひ立つ朝餉かな 利比 振り向けば多くの師有り秋彼岸 利 あまり当たり前のことを当たり前に言っても 街中の喧騒消へて虹の傘 利 日食じゃないから消えるほどでは、やはり橋でしょう 朝霧や北上川は流れ満ち 利 比呂四 スポンジで区画割りされ貝割菜 利○ 残暑かな陽の傾きて吐く吐息 利○ お供物は日保ちで選び秋彼岸 利 山頂に近づき霧の上走る 利 登山かと思ったら、乗鞍スカイラインのドライブだとか、それは無理がある トランクに新米詰めて帰京する 利 やはり旅行鞄と思った人多し 武甲 新しき墓誌の一行秋彼岸 利○K比○ 新しき墓誌というと墓誌の石が建てられたかのようです 霧を分け巨大客船入港す 利 新米の粒ことごとく輝けり 巷間よく言われるけど 化粧して時待つ棚田白露かな 刈り取りを待っているということ、解釈するのがしんどい