254回点盛り
利孟 十三夜馬がしきりに壁を蹴る 恵◎美○義 天翔けて針逃るべく大鱸 美◎綾○ 台風来波濤萬里を湧かせつつ 比武○ 切り落とすほどを問はれて生姜の葉 綾 秋の雨余白きはだつ時刻表 恵一 釣り上げし鱸一閃海へ落つ 利○比○武◎美綾 釣り落とした魚は大きいという狙いが過ぎる 洋裁のトルソくつきり十三夜 利綾美 洋裁のトルソーて情景が曖昧すぎませんか 祢宜ならび忌鎌をもて稲刈れり 利○ 忌鎌など難しいな 厨より言ひつけられて生姜擦る 利 言いつけられては子供でしょう、結論を末尾にして体言止め 台風来雨戸に釘を打ちにけり 雨戸になにか掛ける釘を一本打ったようで 美子 十五号針噛むや鱸の面構へ 利○義◎綾◎ 針の号数というのはあまりにも専門過ぎて理解が及ばない 爆音のヘリを横目に十三夜 利武比恵 ちょっと沖縄が頭に引っ掛かって 台風一過垣より溢れ湧く雀 恵○ 国力や味噌付け齧る新生姜 国力や? 焼締めの黒の色艶寒蜆 寒蜆は今日の句会では時期がちと早すぎ 阿やの 塩の殻割りて現はる鱸の眼 利比◎武恵 塩の殻て、なにを言いたいかは分るが直接的なことばがあるのだから 木の実売る声蒼天に登山口 利○義 登山口て、これから登るのですから土産は買いませぬ 琉球の墓はコンクリ台風圏 利義 墓はコンクリートだというのは説明的です 生姜の葉絵皿に散りて夕餉あと 操車場の音絶へし後十三夜 十三夜というのは一晩ではありますが早い時間に月があがるので、絶えるはハ行に活用しません 武甲 台風の過ぎて城下の空透ける 利比◎武恵 新生姜かじり口角泡飛ばす 利恵 用言止めより体言止めの方が落ち着きます 餌追ひて水門に入る鱸かな 利 餌というのが、なにか釣りの餌のようでもあり 足早に過ぎる靴音十三夜 義 筋肉を過信の悲鳴体育の日 比呂四 「十三夜ナウ」と着信ツイツター 利◎ これは時代のものですが面白い 皮こそぎとりて生姜の香の立てり 利武 立ち飲みの店あふれ出て夜長かな 利○ 下あごでぶら下げ自慢大鱸 利美 台風の進路予測の六十度 義春 台風や来して補強の槌の音 利 鱸釣り暗闇にただ電気浮子 利 山里の田よりあふるる稲穂かな 利 畦にこぼれ照るみたいでしょ 十三夜ホテルのビーチ波の音 利 プライベートビーチですね ひと囓り鼻に抜けよる生姜かな