264回点盛り
恵一
点したれば影が影追ふ走馬燈 利武◎
点したれば」と意図的に6音ということだが、アヤを付けただけ、有季定型を本旨とする句会です、影が影追うは当たり前か
水槽の底の鰻の首つかむ 利雨
水槽の底の鰻の手づかみは難しかろう、うなぎの掴み方は比呂四さんが詳しい
陶枕に一時の夢の残暑かな 利あ◎
イチジノユメノよりイットキノユメの方が夢があるかも、陶枕は夏の季語ですから良い雰囲気だがいけません
新涼や藁半紙なる母子手帳 利○武○
藁半紙なるで、藁半紙に印刷したという理解はできるのだろうか、
点滴に倦みしベッドや法師蝉 利◎
まあ、同じようなことがついこないだあったんで、感情移入の天です
利孟
飯汁と菜を二品法師蝉 武K◎雨◎
メシ、シルとサイをフタシナと、きれいに読んでください
炎の揺れてしばし足踏み走馬燈 比あ
相客は梅我は松鰻飯 比◎義○
梅と松を入れ替えて成功したかも
その裏の風の動かぬ残暑かな
かき氷コインで夢を買へた店
駄菓子屋のことなんだが、これもパス
義春
法師蝉一声残し落ちにけり 利あ◎
よくあるのです、蝉の句には、落ち蝉という言葉もある位です
昼過ぎの音なき駅舎残暑かな 利○武比○
鴨川の抜ける川風夏料理 利○雨
川床のことでしかない、その通り、それをどう工夫するかでしょう
天然の細きうなぎや笊の上
天然で身が締まっている、だから細い、笊の上、なんで、そうだったから、ではつまらん
静けさや仏間に小さき走馬燈
静けさやか、どんだけ大きな仏間か
雨竜
初めての鰻重ねに匂ひ跳ね 利武K
はじめて鰻屋に入り、わーいと跳ねた、それは俳句じゃないかも
二人乗り観光リフトに夏昏れぬ 利あ○義
夏昏れぬというと、夏の果、夏行くというつもりかもしれないが、どうも夕方らしい、変だね
縦皴に刻む今年の残暑かな
今年のってのは、去年来年てことがあるが、時間の経過は俳句では詠めない、それは俳句という短詩形の限界であり、それを如何に巧みに利用するかも作句の妙なのです
あけて閉め開けて聞こえし法師蝉 義◎
走馬灯車窓に肘を折りにけり 
走馬灯が存在しない、唱歌の汽車の連想でしかない
比呂四
一と節をしぼり出したる法師蝉 利義
重次の口癖、一節は残しておきたいね
店先の桶に泳がせ売る鰻 利○K○あ
川魚料理屋などありますね
凌霄やサウナ上がりの肌さらり 利○
手のひらで鍔を作りし残暑かな
羽根立てて回りの遅く走馬燈
走馬灯の回り具合を羽根を構って調節したという、工作の話です
武甲
鰻めし予約の効かぬ老舗かな 利比雨
ローポと読む方を利孟はときに好みます
残暑日や目深に被るキャスケット 利○K雨○
真夏日、夏日はあろうが、残暑日はいかがか
終戦忌被弾しままのカノン砲 利○
カノン砲は長距離砲だから爆撃だったんだろうが、「被弾しままの」っておかしい
間を取りて輪廻の法話走馬燈
法師蝉鳴き止みて知る登校日
登校日で法師蝉が静かになった?
あやの
膝寄せて童子の見入る走馬燈 利比雨
童子なんてものは、今時の世に存在しない、わらべも同様、ザシキワラシは認める
対向車なき山の道蝉時雨 利○
出し抜けに鰻食べたき夕ごころ 利K
そうか、夕ごころはどうかとは思うが、鰻って昼に食うって感じが強いもんで、主婦感覚と違うわけね
記念館に遺る親書やつくつくし
トルストイの手紙なら、文学館のだろうし、文豪のだろう、親書っていうともうすこし、公的な高い立場の物でしょう
建替の校舎包まれ秋暑し
記念物的校舎ならこれでよかろうが、ただ古くなったから建て替えっていうなら、莢を掛けたような表現は不適切