266回点盛り
比呂志
風が塵掃き出し風炉の名残かな 利○雨◎あ
疾走す揺れなき「はやて」鰯雲 利恵
おかっぱの髪の乱れず栗拾ふ 利◎恵
上り来る霧の身体をすり抜けて
軽トラの荷台はみ出し蕎麦を刈る
恵一
鳴く牛を荷台に載せり霧の中 利義比○あ◎
ドナドナですね
蕎麦刈るや那須野ヶ原にひかり充ち 利あ
笑栗や曙光まばゆき高尾山 利○
女人来てひととき緩ぶ風炉名残
店先の鰯の笊や霧を吹く
鮮度をごまかすために霧を吹くて、という話、季語は鰯だな
あやの
黒楽に紅の斑はつか風炉名残 利恵◎
白樺の霧にうごめく灯と影と 利義○
影は馬って、東山魁夷そのままじゃん
曼珠沙華露天の席に蕎麦を待つ
蕎麦刈って水音近く帰る道
あんまり水が無いんだろうけど
倒木を尻目に弾け栗の毬 雨義
意味不明
武甲
秋晴るる六機揃ひの宙返り 利恵○あ○
人拒む霧の気まぐれ摩周岳 利○比
見納めの花生け風炉の名残かな
下校子の先を競ひて栗拾ふ
雨竜
蕎麦を刈る手繰りし母の手はしろし 利義比恵
平家の落人部落のお姫様ならさもあらんが
竹柱侘びのしつらひ風炉名残
富士青し山ゆるやかに栗を剥く
山霧の摘まみ損ねて落ちにけり
霧の粒を摘むって、そりゃ無理ってもんだ
山の秋森の小窓の青さかな
これで木洩れ日は出てこないでしょ
利孟
蕎麦を刈る立ち枯るるかに束ねては
風炉名残汁三杯を賜りて 義◎
虫潰すかに長靴でこじて栗 雨○
牛里へ降り牧柵を埋めて霧
清明が遣ふ識神秋の雨
義春
塔頭の梢さわさわ風炉名残 利○比点
毬栗の棘千本の痛さ哉 利○
尾瀬が原木道裹む朝の霧
親友に今宵の馳走蕎麦を刈る
ちょっと時間的に無理があるが、そういうこともあるらしい
ベランダの毀れ蔓棚秋の暮