第272回四天句会
平成24年4月17日
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兼題 桃の花 壺焼き ふらここ
利孟 四月馬鹿人来れば寄る鳩の群 ふらここの日暮れの風と遊ぶらし 引き抜いて刻みて煮立て焼き栄螺 桃の花雑巾バケツに水汲んで 桜蘂降る十六本の傘の骨 武甲 富士越えんばかりここ競ひ漕ぐ 桜蘂降る毘沙門堂の街明り 壺焼やハザードマップを貼りし壁 桃の花耳朶に煌めくイヤリング 花疲れ明りを落とすツアーバス あやの ぶらんこの少女落暉へと飛べり 桜蘂降り込み蓋を開けし墓 裁縫のすきな子とゐて桃の花 壺焼や岬の鼻の烏帽子岩 レコード店出で春昼の神保町 |
比呂志 ふらここや背を柔らかに風の押す 車椅子で過ごす一日花疲れ 殻爆ぜる音壺焼きの焼け頃で 一声を翔て賜り桃の花 桜蘂降らせて雨の傘を打つ 恵一 桜蘂降るや聖人殉教碑 手作りのポシェットを掛け入園す 旦那さんと声をかけては壺焼屋 桃の花風信帖を臨書して ふらここの鎖錆びをり布に拭く 雨竜 晩鐘や鞦韆ゆらと揺れにけり 桜蘂降る靖国の坂の上 退院の窓の陽射しや桃の花 岩の面枝垂れ桜の枝引いて 潮風や壺焼きえぐる底の底 |
義春 甲斐の國富士の腰なる桃の花 あさぼらけ桜蘂降る薬師堂 ふらここの恋人の髪ふうらふら 花を待つ思ひの深さ高齢者 壺焼の醤油の匂ひ昼の宴 |