第273回点盛り
利孟 | |
素袷のつひつひ貧乏揺すりかな | 比◯ |
龍天を翔て墨絵の武者幟 | 恵 |
旧子爵邸亀の子の甲羅干し | 義 |
夕薄暑ストッキングに知らぬ穴 | |
長きより結ぶ風呂敷更衣 | |
武甲 | |
亀の子も客待ち顔の理髪店 | 利比◎ |
稽古場の窓開け放つ薄暑かな | 利◎比 |
レギュラーを懸け特訓の夏来る | 利恵◯ |
語尾長きシュプレヒコール労働祭 | 利◯ |
甲冑の猛者の眼凛々し端午かな | 利 |
猛者は言わないでしょう | |
あやの | |
亀の子を掌に円陣の真中の児 | 義◎雨◎ |
分析すれば分からない景ではないが、何言ってんのが本当のところ | |
街薄暑民芸店の昼昏き | 利◎雨 |
佇めばもの言ひたげな夜の新樹 | 恵雨◯ |
自己陶酔だけ、物言いたげってなんなの? | |
吹奏部の音のてんでに若葉 | 利 |
演奏ではてんでといかないでしょう | |
薫るものなべて懐かし端午かな | |
薫風とかからの連想か、何のこっちゃ分からん | |
比呂志 | |
亀の子の向きの同じに反りし首 | 利◯恵◎ |
一方を向いて首を上げてるなら、こんな嘘もありであよう | |
箪笥より溢れる物捨て更衣 | 利◯雨 |
断捨離ですか | |
泣き面に紙の兜の端午かな | 雨義 |
若き子の太ももあらわ街薄暑 | 利 |
太いのを恥ずかしげもなくとなると表現は難しい | |
気持ちよきところに座して入梅かな | |
はて? | |
義春 | |
二の腕の白き女生徒更衣 | 利恵比 |
白い腕の女生徒がいるんでは、女生徒の特徴を言っただけ、腕の白さが眩しかったというなら自ずからこうなります | |
スカーフの緩めの結び薄暑かな | 利◯ |
亀の子や池に苔むすさざれ石 | 利◯ |
端午の日鼻先隠す紙兜 | 利比 |
雲海の端に富士山日の光 | 利 |
日の光はいかにも間に合わせ | |
恵一 | |
跳ね橋を馬車渡りけり花あやめ | 利義 |
馬車渡りけりとすると、景よりは渡るという行為に焦点が移ってしまう | |
鴉来て亀の子ひとつ拐ひけり | 利◯ |
女子高の声甲高し更衣 | 利義 |
女子校は声出さないでしょう | |
薄暑なり白きブラウス明るみて | 利 |
明るみてはどうでしょう | |
相好を崩し嬰抱く端午かな | |
孫俳句を意識したような句だが、とりません | |
雨竜 | |
更衣走り出したる小道かな | 利 |
更衣は走りませんよ | |
端午の日被る兜は新聞紙 | 利 |
まったく平凡ですがこれ以上は言ってないでしょう | |
亀の子の遠足らしく浜の闇 | 利 |
遠足って、行って帰ってみたいなこととは違うのでは | |
春の雨田は薄暗き水の音 | 利 |
句としては良いですが、春浅い季節の感じで五月の句会ではどんなでしょう | |
低山の薄暑に登る石清水 | |