第２７７回四天句会
平成２４年９月１９日（水）

　 　

兼題　秋刀魚　衣被　虫 点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります、ご興味のおありの方はお探しください

利孟 とやかうの塩の蘊蓄衣被 アクセスと書く道順や敬老日 虫の声止みて目覚める夜の地震 酒醤油砂糖目計り秋刀魚炊く 盛つ切りの木の香の枡の今年酒 　 武甲 秋彼岸書き込み多き農事暦 換気扇うなる横町秋刀魚焼く 衣被杵持つ二兎のクレヨン画 敬老の日一時帰宅の仮泊して 雨止みて恐る恐るに虫の声 　 恵一 箪笥より父のゲートル虫すだく 敬老の日なりにぎはふ京料理 滑走路の白き矢印涼あらた 掌に受けたる熱さ衣被 尾が失せるほどの焼き過ぎ初秋刀魚

義春 濡れた手を野良着で拭ひ衣被 焼き様は漁師ゆずりの初秋刀魚 寄合ひが退けて公園虫時雨 元気かと一言電話敬老日 若鷹の飛び立つ羽音天高し 　 雨竜 博物館のギャラリートークちちろ虫 送迎車の皆が笑顔の敬老日 売り出しのチラシの目玉初秋刀魚 包み込む大地の匂ひ衣被 数多なる蝉声やがて夜の闇 　 あやの 新宿駅ホームの下の昼の虫 白き粉を吹いて光りの黒葡萄 衣被バザー準備の手を止めて 目先変へ料るも秋刀魚の煙かな 小ぶりにて紅を深むる秋薔薇

比呂志 秋の蝉いくども窓にぶつかりて 衣被にゅるりと剥ける白さかな 腸を食ふ食はぬの談義初秋刀魚 虫時雨もバス停一つ手前から