第284回四天句会
平成25年4月16日
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兼題 むつごらう 杉の花 桜漬け 席題 葉桜 |
利孟 日光へ下向の勅使杉の花 ムツ掛けの板子一枚泥の舟 葉桜や男女無言の喫煙所 まとひたる塩の花色桜漬け 春の雷厨支度を放り出して 武甲 朱に染まる飛散予報図杉の花 目を剥きて空を威嚇のむつごらう 風光る襟にねじ止めして社章 葉桜の土手を駆け抜け風の渦 桜漬け含みて覚ます眠気かな 恵一 さくら散る砂場の砂にパンダの絵 卒塔婆を鳴らせる風や花曇 桜漬杏仁豆腐の真ん中に むつごらう背鰭二枚を逆立てて 杉の花古刹の壁に夕日差す |
義春 風に黄の帯の流れて杉の花 春の日や警笛長く行く列車 泥上に大海思ひムツ五郎 碗内の一目千木桜漬け 葉桜や新の背広を脱ぎ抱へ 雨竜 ムツ五郎したり顔なる大目玉 鼻すする電話の声や杉の花 春の雨供花に薄紅色まぜて 咲き初めし香りを封じ桜漬け 葉桜や並木を抜ける通り雨 あやの 葉桜やみたらし団子の串焦げて 天仰ぐほどに頭を上げむつごろう 何事もなき日の午後の桜漬 竹筒を鉄砲にして杉の花 春風にプリーツ吹かれ少女の輪 |
比呂志 泥の目を泥に隠してムツ五郎 飛び石の隙間を埋めて韮の花 たをやかに花弁を開き桜漬 枝先に蠢ひてゐる杉の花 葉桜の下を避けつつ歩きけり |