第301回四天句会
平成26年9月16日

   
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兼題 生御霊 落鮎 芒
席題 芝神明祭



  利孟
あれこれと己が戒名生身霊
頑迷の口のゆるびや下り鮎
爺様の戦の話甘藷飯
庭隅の稲荷に鳥居花芒
東海道の過ぎる参道生姜市

  武甲
鮎落つや櫓脚のゆるき渡し舟
切り羽へと下る軌条や花すすき
ちやん付けで呼び合ふ氏子生姜市
生身魂三月をかけし押し花絵
口先の色を見定め秋刀魚買ふ

  比呂志
芒原風吹く道になびきけり
落鮎の背鰭を立てて飾り塩
スーパームーンてふ十五夜の気の満つる
座布団を二枚重ねに生身魂


  あやの
爪立ちて見渡す露人神明祭
いわし雲尖塔ひとつ立つモスク
握る手を握り返して生身魂
雨粒に光を集め夕芒
落鮎の群れ来る風と聞きにけり

  義春
芝浦の船宿混みて神明祭
大原の闇を揺らして花芒
錆鮎の腹に奔りて錨鈎
生身魂早々米寿の祝ひなど
母からの着信五通秋の暮

  雨竜
 東北大震災
潮風のしほの重さや糸芒
成すことの未だありけり鮎落ちる
生身霊朝日差込む隠居部屋
竹の春幾星霜も空の庭

  恵一
鮎落つや雨やはらかに多摩川原
アランブラのパティオの鉢の和金かな
鶏鳴や麦刈りはじむ地平線
薄原わけ行く父に子の付きて
腹筋の日課百回生身魂