第307回点盛り

利孟
春暁の空港バスに客二人 義◎あ
頂上へ猛る炎の輪を縮め野火 あ○
生涯に一度の袴卒業す
花冷えや闇に光の観覧車
バリスタのカップに描く絵霾曇り
武甲
火襖を立て進撃の野焼かな 利◎雨◎あ
湧水の連なる音や草青む 利雨
菜の花の絵葉書で知る転居かな
春暁や新線に沸く北陸路
跡残し走り去る猫春の泥
比呂志
神々を天に上らせ野焼かな 利○義○あ◎
春暁や座敷に一本陽の光り
石庭の砂利を押し退け草青む
観梅や香に包まれて嗅ぐ一輪
義春
春暁の湖に漁火しぶく波 利雨○
山焼く火舞ひて天空登りけり
春日差し園児が遊ぶ城の跡
卒園のセピアの写真我探す
草青むカラス戯るラフの上
ゴルフ俳句は面白くない
恵一
春暁やパン焼く匂ひ階下より 利義
草青む間宮林蔵なほ北へ 利○
オアシスに天山くだり春の水
菷もて野焼きの男服払ふ
硝子窓拭けば庭木に小鳥来る
3月の句会で秋の小鳥来るはどうですか?
あやの
この路地に幼子ひとり草青む 利義
卒業の頬ひきしまり隣の子 義雨
サラマンダーの炎のぶつかりて野焼果つ
春暁の夢の断片案じけり
春光やワゴンセールの神保町
雨竜
床に立ち軋む音聞き卒業す 利○
気が付けば友も老いたる野焼きかな
草青む石橋山の古戦場
車窓から多摩川走る春の朝
一年中でしょう
春暁の仕事疲れの目赤し