第308回四天句会
平成27年4月21日

   
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兼題 茶摘み しやぼん玉
席題 春雷




  利孟
烏の豌豆産院の板看板
茶摘み機の唸り高めて畝移る
春雷や役行者は鬼を連れ
土産屋に山鹿の太鼓残花なほ
ぐづる子の前へ飛ばしてしやぼん玉

  恵一
鉈ふるふ仏師の額の若葉風
朝靄の薄きみどりよ茶摘時
オアシスの少女しやぼん玉吹いて
谷間の村に昇日残花かな
大揺れの紅提灯や春の雷

  義春
車椅子押し健診へ残花なほ
青空や向ひの丘の茶摘み唄
石楠花や色の失せたる観世音
軒下の小さな宇宙しやぼん玉
春雷や鳩の隠るる浅草寺

  あやの
茶摘籠下ろし沢庵にぎりめし
腕の児の背を反らし追ふ石鹸玉
春雷や憂ひ顔なるブルドッグ
手作りの分厚き器木の芽和
残り花隣人越して行きにけり

  武甲
巣燕や頭上注意の立て看板
幟立て法被揃ひの茶摘みかな
招魂と慰霊の祈り残花落つ
童心に返りて飛ばす石鹸玉
筍の灰汁抜くレシピを検索す

  雨竜
ひとひらの残花にかざす蛇の目傘
海を背に茶摘みの籠の竹びかり
道祖神まだらに被り春の雪
春の雷太き鼻緒の切れにけり
ふんはりとそらに流れてしやぼん玉

  比呂志
牡丹の蜜の溢れて花開く
指先の緑に染まり茶摘みかな
次々に風を捉えて石鹸玉
春雷に隙間を広げブラインド
接待の後の一杯残花かな