第314回四天句会
平成27年10月20日
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兼題 身に入む 栗 花野 席題 新豆腐 |
利孟 墓地にするなんぞの話大花野 芝栗の薄き実皮に歯を立てて 身に入むやからびし供花を抛り捨て 身も肚も鍋に煮立てて鮭の汁 新宅へ実家へ婆の新豆腐 あやの 茜雲紅一面の大花野 無駄口のなくて子と剥く利平栗 身に入むや閉院せしと人気女医 秋晴の小江戸に響く時の鐘 手刺繍の衣装のポルカ体育の日 恵一 ダンボール箱に捨て猫花野かな 身に沁むやピカソの青き聖母像 栗剥いて形崩るるものばかり 新豆腐醤油かけずに召し上がれ 屋久島のトロッコ道や鹿もゆく |
義春 新豆腐店いつぱいの湯気の中 秋の空普請の音の突き抜けて 身に入むや湖面を急ぐ雲の影 展望台栗駒全山花野かな 林道の毬栗一つ抓み持ち 武甲 名月に影を落として観覧車 ままならぬダッシュ会社の運動会 赤き帯黄の帯となる花野かな 上京の母の手作り栗ご飯 身に沁むや石庭で聞く時の鐘 雨竜 大花野電車一両音立てて 栗ごはん頂きますの声揃へ 新豆腐醤油十字にかけ回し 手の平にコツンと当たる鹿の鼻 リハビリが身にしむ膝の痛みかな |