第333回四天句会
平成29年5月11日

   
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兼題 香水 立夏 若鮎
席題 茄子の苗



  利孟
汕頭の手巾夜間飛行香る
地を掃いて白芍薬の重き花
口固く結び若鮎焼かれけり
夏立つや雪駄の鉄の音高く
さくら組5班みんなで茄子の苗

  あやの
夏来る抱つこ袋に手足生え
薄暑光セーラー服の背なのチェロ
香水を売る指パントマイムめく
揚げたてに塩をひと振り上り鮎
一雨に色を濃くして茄子の苗

  武甲
軽トラの高齢マーク茄子の苗を植え
香水の残り香に噎せ試着室
マネキンの着たる新作夏立てり
筍の姫皮美味しバーベキュー
若鮎や五冠の先に見る五輪

  雨竜
健診を受けて立夏を迎へけり
人力車行き香水の香の残る
焼くほどに串の若鮎香りけり
行く春や涙のごとく雨がふる


  恵一
笹原を鳴らし渡哲也夏嵐
月さしてかすかに震ふ籠の鮎
沖合に潜める空母夏来る
行き過ぎて香水の香に振り返る
茄子の苗そよぐ夜なり月に雲

  義春
早瀬越す若鮎飛翔止めどなく
夏に入る二人で抱へ衣装箱
香水やマダムの歩むシャンゼリゼ
芍薬の蔭が覆ふや地蔵尊
団欒を思ひ選ぶや茄子の苗

  翠江
若鮎の枕揃へてバーベキュー
青空に輪を描き遊びとんび凧
衣替へしたる腕の白さかな
残り香に重ひを馳せる愛し人
新学期悲喜こもごもの花散らし

  比呂志
シャワー浴びコロンの香り纏ひけり
滝飛沫一と粒づつが輝けり
夏立つや地下三階の能楽堂
若鮎や一段飛ばし階上る