第346回四天句会
平成30年6月21日
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兼題 麦の秋、枇杷、梅雨一切、鮎
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あやの 梅雨寒や胸像並ぶ美術室 逆さまに吊さる鴉枇杷熟るる 三つ編みを解く少女や麦の秋 鮎を食ぶ矢切の渡し日和かな ゼラニウム路地の奥なるオーベルジュ 比呂志 ペンキ屋の足場組みたるままに梅雨 波を打つ音を重ねて麦の秋 鮎を焼く煙が鮎の香を増して 父の日や半額セールのブランド牛 裏山の枝打ち枇杷の実の熟れる 義春 麦秋や北の大地のウヰスキー 鮎干すや熊野古道の茶屋の跡 短夜の旅寝に瀬音杉間より 梅雨に入る平家の里の茅の屋根 枇杷熟れて切り落とすなり葉とともに |
恵一 夢殿を出でて南都の麦の秋 金山の長き坑道梅雨深し 生簀より光みなぎる鮎掬ふ 紙袋破き枇杷の実捥ぎ取りぬ おたまじやくし泥に隠るる畦ゆけば 武甲 井戸端に積まれし菜っ葉梅雨深し 枇杷の箱手に搭乗の列に入る 大堰へ鮎渾身のジャンプかな 壁にひく災禍の記憶梅雨出水 金色の背筋を伸ばし麦の秋 |