第362回四天句会
令和元年10月11日
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利孟
満腹といふこと知らず稲雀
星の無き夜を回りて芋車
銀翼の点となるまで秋夕焼け
秋天の裾へと刈りて千枚田
柿日和うねりて白き道ゆけば
あやの
威されて散るも潜るも稲雀
枝垂るほど柿の鈴生り民話聞く
茹で上げた芋ひと山に撓ひ笊
筆の文また読み返し夜長かな
オーボエの音で調律秋夕焼け
武甲
芋掘るや小さき軍手の加勢得て
下校子の秋夕焼けの中を塾
柿をもぐ狙ひ違はず竹ばさみ
龍立つが如き竹火矢秋の空
爆音に去りては戻る稲雀
比呂志
稲雀翔ちてうねりし千枚田
親と子に孫の加はり芋畑
秋の蚊の妻の柔肌刺しにけり
白金の坂を下りて秋夕焼け
ほろ酔いの宅の座卓に富有柿
虚承
帆船の帆のたたまれて秋夕焼け
強風に負けなかったと柿届く
爆竹に二度は驚き稲雀
身に入むや猫をこの身で囲みをり
湯気立てしけんちん汁は里芋派
義春
鳴き尽きて我が身喰はるる月鈴子
稲雀誘ふ囮や無双網
教師言ふ柿は日本の果実なり
里芋や箸がすべつて膳の上
秋夕焼インスタ映えの潮溜り
雨竜
身八つ口より忍び込み秋の風
啄むにあきてまた鳴き稲雀
幸せの歌が流れて柿を喰ふ
賑やかに連なる芋や三世代