第380回四天句会
令和3年5月12日
Zoomリモート句会
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください
花蜜柑(実は多聞庵の酢橘の花ですが)
利孟
唐銅の風炉に伽羅の香聖五月
珠解けば花の重さの富貴草
庭隅の闇に浮かびて花蜜柑
親鳥の羽音に騒ぎ燕の子
新緑の空割くポプラ並木かな
比呂志
巣の縁に嘴を並べて燕の子
新緑のツリーハウスに風の音
宝瓶に解け新茶の香り立つ
野点傘立てて華やぎ白牡丹
花みかん籠を重ねて蒸溜す
虚承
間引かれし菜も新緑の菜で在りて
夏めくや庭掃く僧の紺作務衣
乾隆帝拡げし版図牡丹咲く
アンパンマン列車ゆく山花蜜柑
トッカータめいて餌を欲りつばめの子
義春
若鮎のいささ柵ひた挑み
香の満てる牡丹浄土に風渡る
伊予の海見おろすところ花蜜柑
雨音に負けぬ鳴声燕の子
新緑のお堀ゆく舟棹差して
恵一
緑濃き中を下りていろは坂
そよ風の牡丹一片づつ崩す
子燕の裂けんばかりに口開けて
花蜜柑匂ふ裏窓開けたれば
遠足の子の狛犬の足に触れ
あやの
新緑の香るや大きにぎりめし
夕暮に着く旅の宿花蜜柑
秘密の園めける牡丹の雨の寺
おつかひの親子の見上げ燕の子
一枝に散るも莟も薔薇五月
雨竜
山一面の牡丹に踊り親子獅子
大声の野球少年緑濃し
四万十川の広き空埋めこひのぼり
石垣の段々畑や花蜜柑
去年の巣に尾羽を揺らし親燕