第386回四天句会
令和3年11月10日
   
兼題 星月夜 短日 大根干す
席題 新蕎麦
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ご興味のおありの方はお探しください





  利孟  
忠敬の変はらぬ歩幅暮れ早し  
九皐の奥に鬼女棲み紅葉山  
海風と日差しに揉まれ干し大根  
星月夜小屋玉ねぎ積み干され  
新蕎麦の幟の会津西街道  

  比呂志  
曲がる腰しつかと伸ばし大根干す  
短日の一つともりて厨の灯  
秋の夜の楽章の間の咳払ひ  
新蕎麦や講釈をたれ一と啜り  
入院の報に駆け付け星月夜  

  恵一  
新蕎麦や平家の裔といふ店主  
指宿の砂に身を埋め星月夜  
星月夜牛の寄り来る溶岩の熱  
日短しバーの灯がつく歌舞伎町  
懸大根越しに畑の友さそふ  

  虚承  
走り蕎麦墨の香残る朱印帳  
ゴビ砂漠ジープを照らす星月夜  
シワシワになってくれよとだいこ干す  
短日や門扉に急ぐ女子生徒  
息白し新聞二つ折りにして  

  義春  
短日の鏝先暗き左官かな  
不揃の菊参道に乱れ咲き  
富士の山練馬の村に干す大根  
新蕎麦や信濃の茶屋は山の奥  
山小屋を出で満天の秋の星  

  雨竜  
積み上げたケルンに凭れ星月夜  
灯短し安曇野覆ふ山の影  
ケーブルカー紅葉の中を落ちてゆく  
新蕎麦や老舗の午後の椅子の席  
海岸に三浦大根天日干し  

  あやの  
めじろ来るまた一羽来て柿日和  
路地奥に置かる黒板走り蕎麦  
移転先貼らるシャッター暮早し  
夜練の自転車散りて星月夜  
上州の風に壁なし懸大根