第419回四天句会
令和6年8月13日
 Zoomリモート句会
   
兼題  向日葵 赤富士 あめんぼ 山椒魚



  利孟  
天耕の島の棚田の田水沸く  
行き惑ひ向日葵迷路の香に酔へり  
水馬や学校帰りのにはたづみ  
岩陰に揺られ夢見て山椒魚  
赤富士やコンビニストア灯の消えて  

  恵一  
クロールのくの字のかひな沖へかな  
向日葵やアンダルシアのうねる丘  
赤富士や湖に立つ金の波  
はんざきの岩に紛れて動かざる  
あめんぼう飛びて移れる水たまり  

  義春  
山椒魚始祖は太古としたり顔  
飛行機の窓の赤富士転勤す  
水馬流れに乗りてまた戻り  
百日紅木陰で休む作業員  
向日葵や熱き恋など縁も無く  

  あやの  
風鈴を軒一杯にやきとり屋  
赤富士を映し湖畔の宿の窓  
波乱とは遠く離れて、無縁に生きて  
あめんぼの水輪重なることも無く  
向日葵を横目で数へ球拾ひ  

  雨竜  
山椒魚の小さき眼左右両にらみ  
あめんぼのとまどひも無く波渡る  
向日葵の原は風車を飲み込んで  
腹見せて寝坊の蝉や朝明ける  
赤富士や早起き少しも苦にならず  

  虚承  
はんざきの上目遣ひに見る世界  
赤富士や宝永山噴いて三百年  
向日葵やバスの臨時の停留所  
泡立てる田の水熱き日の盛り  
夕立や集合場所へ地下伝ひ