第420回四天句会
令和6年9月10日 Zoom句会
   
兼題 月 鈴虫 青蜜柑 爽やか



  利孟  
出港の銅鑼月白の海へかな  
散水の風にまつはり揚羽蝶  
鈴虫の四肢を踏ん張り鳴きつのる  
香のあふる葉陰に育ち青蜜柑  
今グレイヘアーと呼ばれ爽やかに  

  義春  
爽やかに小波の寄す浮御堂  
月上る東京タワーを影として  
鈴虫の鳴くも故郷訛りかな  
荒畑の隅鶏頭の群れ燃ゆる  
海のぞむベンチの二人青蜜柑  

  恵一  
岬へと続く山道青蜜柑  
爽やかに選手かかげる金メダル  
鈴虫や度胸だめしの野道ゆく  
山百合の雫にのこる夕日かな  
電線の込み合ふ空を月昇る  

  あやの  
青みかんふふみをさなの下がり眉  
消防団集合点呼爽やかに  
月の出や影黒々と跨線橋  
青き実の数多散り敷く野分あと  
鈴虫の鳴くやあの家この庭に  

  虚承  
老夫婦組み上ぐ虫籠月鈴子  
石手寺を目指し道後へ青蜜柑  
爽涼や紅葉ロードを抜け妙義  
秋の月栞挟んでティータイム  
筆ペンで短冊浄書文化祭  

  雨竜  
哲学の道や疎水の月明かり  
立ち漕ぎであえぎ酷暑の坂上る  
爽やかに三方濠の北の丸  
鈴虫の寺の地蔵に願掛けて  
青蜜柑空突き抜ける甘酸味