第421回四天句会
令和6年10月8日、 Zoom句会
兼題 紅葉、鰯雲、柿、後の月
利孟
僚機二機緊急発進後の月
スプーンにくづる甘さの熟柿かな
揺れ止まぬ吊り橋紅葉の谷わたる
釜飯の益子の土鍋鰯雲
香煙で撫でる己が身秋暑し
恵一
方丈の丸窓照らし夕紅葉
検非違使の御所柿をもぎひと齧り
俊成がもとへ忠度鰯雲
スマホ打つ指反り返り十三夜
高階とスカイツリーと後の月
義春
取り壊す団地の庭の曼珠沙華
筑波嶺の耳にかかりて鰯雲
渓流の紅葉かつ散りかつ流れ
静まりし四条の町家寝待ち月
祖父さまの柿もぐ枝を付けたまま
雨竜
十三夜うさぎの耳の欠け少し
高層のマンションの窓吊るし柿
鰯雲庭に敷き詰め大理石
名月や雲なく黒く澄める宙
抑留の息子の帰還初紅葉
虚承
ヤッホーと園児の叫び紅葉山
黒潮の洗ふ岬や鰯雲
五つ六つ付け甘柿の枝たわむ
秋うららタイヤの溝を点検し
予算要求終えて傾き後の月