第422回四天句会
令和6年11月12日 Zoom句会
   
兼題 北風 靄 酉の市 返り花


  利孟  
泥ついたまま大根のお裾分け  
欠伸して背伸ばす猫や返り花  
酉の市名入れ披露の大熊手  
北風やおひねり放り大道芸  
冬の靄ネットで覆ふ護美置き場  

  あやの  
会堂を統べるオルガン秋惜しむ  
酔客の影の細りて北風の路地  
児をあやす膝の温みや返り花  
朝靄の径に影置く枯木立  
徐に乾物選りて酉の市  

  恵一  
酉の市両手に運ぶ瓦斯ボンベ  
酒樽を五段積みにし酉の市  
川岸のブルーシートも靄の中  
返り花犬駆け回り藪分くる  
三日月も湖も茫々冬の靄  

  虚承  
肩車の子に担がせて福熊手  
北風や無人の駅舎吹き抜けて  
河童橋2kmの道標花竜胆  
山小屋に靄迫り来る朝かな  
返り花スマホの写真UPして  

  義春  
警策の音身に沁むや返り花  
冬の靄に浮かぶて阿蘇の涅槃像  
鯊の海天ぷらコースの屋形船  
真向に北風受け能登の千枚田  
ご祝儀を弾む馴染や酉の市  

  雨竜  
返り花街道筋の一呼吸  
酉の市巨大熊手で人寄せて  
北風や特急あさまの青き飛ぶ  
光さす紅葉まるごと山のなか  
別れ行く友の背中は靄の中