第69回
平成14年3月17日
へんみ 片山 河村 三澤 川島 大塚 岡田 泉
栃木 とこゐ 比呂 利孟 大貫 福田
14人出席、欠席投句1人と大変に盛況の句会となりました
暖かな春の午後を俳句三昧もなかなかに結構なものです
会田
囀りや古刹木魚の叩き艶
春光を浴び饒舌の児の手足
石塚
指で丸つくりし合図あたたかし
駄菓子屋に子の声溢れ春日向
下足箱開ける木の鉤薄氷
泉
春の日の絵筆の乾き易きかな
父母へ桜餅よと供へけり
大塚
クラス替へ担任替へや桜餅
緋毛氈祖母の雛の首傾げ
大貫
わけぎぬた日合の酒を温めけり
夜半の嵐の岸に寄せたる薄氷
岡田
薄氷を押分けてゆく家鴨かな
春昼や鸚鵡の返すこんにちは
片山
天空に響くカリヨン復活祭
生みたての卵の温み春浅し
川島
薄氷をパリパリ踏んで行商婦
大甕に紅梅活ける蕎麦どころ
川村
男体山の薙が動きて雪解川
説教の後の昆布茶や梅の寺
田中
この春も妻の自慢の桜餅
小波に割られ漂ふ薄氷
とこゐ
引越しの支度終りて芹香る
薄氷に置かれて小石落着かず
栃木
薄氷をかざせば春の万華鏡
水草の色を閉ぢ込め春氷
福田
春の雨団地の窓の仄明かり
差入れの箱に隙無き桜餅
へんみ
天麩羅と共に届けし蓬餅
縫ふ風にひかりを零す花ミモザ
薄氷や足場の中に育つビル
三澤
薄氷や底まで透ける神の池
お隣に嫁来る話白辛夷
薄氷のごときビードロぽぽと鳴る
利孟
春蘭の影の生れざる淡さかな
花の香にひそむ海の香桜餅