9月のもう一言
一つ家に玄関二つ月見かな 二世帯住宅で月見もばらばらということか?、月見の配合がよろしくないのです ななかまど笠をあみだに六地蔵 編笠深く」言葉足らず、さすれば嘘でも編み笠をこうしては 綿摘みや男体山に天気見て これでは事実のみ、なにか、一節を工夫すること 牛の目のかすかにうるむ良夜かな 牛の目の句は結構ありますからね、類句もあるでしょう 銀漢に南十字星光増す 星と銀漢の相対位置は変化しないから、光増すという変化が分からない、音数もバランスよく 紅芙蓉京の町屋の蔵造り 京町屋は蔵造りなどで無いのが売りです 年月を重ねて今日の天の川 これはまあ??? 長き夜のぼんぼん時計の間延びして 類句は多い 舞ひおりし雲のかけらの綿を摘む ひとつひとつは欠片だけど、ちょっと極端なイメージ 老ひてなほ櫓さばき確か鰯雲 老ゆ、悔ゆ、報ゆ」この三語だけがや行の活用をするというのは、旧かなを使う場合の常識と思ってください、♪村の渡しの船頭さんは♪という流行歌がありました 病癒え灯ともす窓に降る銀河 動詞三つは多すぎます 土手に寝て星の降り来る天の川 状況設定までして、苦し紛れはよろしくない 綿摘みの手甲に母の姿かな 母の姿かななどの追憶めいたもの、情緒溢れるようだが、老人の繰り言でしかない、年取ると母とか孫とか、作りたがるが面白くは無い素材 かなかなや躊躇ひて打つ棺の釘 俳句は私事でありますが、もう少し別のものを見ないと「そうだ」ということはあっても共鳴とはなりません 綿摘みの晴れの日選ぶ山並び 綿摘みの説明でしかない、山並びが取ってつけたよう 虚空一つ背負ひ星河の瞬かじ 瞬かじ(瞬くであろう)という修辞にさほどの斬新さは感じられないが 銀漢の行方阻めず少年期 この手の句は利孟は一切取りません、詩情を感じることが無いのです 衿元を直し見上げる天の川 衿を正してなのか、どうもよく分からない |