1月のもう一言

輪飾りをかけて迎える厠神  
定むるは?

対峙せる海に肌脱ぐ初日かな  
初日が肌脱ぐのですか?

と見かう見しては鳴き交ひ初雀  
して、声つぶら

寒鯉釣り無念夢想に浮子見つめ  
釣のウキはこう書きましょう

川岸に降り身繕ひ初雀  
初雀は下5に

近づけば翔つ畦道の初雀  
畦道の近づけば翔つでは、畦道が近づくようでいけません、分かりやすく

七草のいつしか雨に神詣で  
七草の雨にいつしか」では、雨が降り出した、気が付いたらお参りしてたという夢遊病的行動になります

筆太の亥の一文字賀状かな  
太筆は、太い筆のことです

絡みたる糸の解けず寒の釣り  
絡む糸解けぬ指先って、指先の悴むってことなんだろうけでお、指先を言わないほうが分かるでしょう

海苔粗朶を縫うて水尾引く定期船  
は行の、音便は「縫い」が変化するので、「縫うて」となります、これは表音なのです

脱衣籠食み出す程に着ぶくれて  
脱いだら裸というような部分が見えない面白さが良い

初雀榊の枝を揺らし来る  
初雀と榊の取り合わせがめでたい

高きもの高き音立て霜柱  
音立つ」は変な響きだぞ

富士山窓に納まる宿の雑煮かな  
納める宿の雑煮かなだと、納めるのが雑煮のごとく聞こえるのです

七草の粥の色よく古代米  
粥の艶って、そうか?古代米で色が付いてるで良いでしょう

寒釣りの誘ひに父と釣具屋へ  
寒釣りは、寒釣りを読まないと、釣具屋なら、一年中釣の句ができることになる

寒参り舌に覚えの団子食ふ  
郷愁まぶしってずいぶんベタですね

手すさびの干支の炙り絵みかん汁  
随分と懐かしい素材

掛け合ふも福のひとつや達磨市  
縁起のひとつ?分からない

ふるさとの山並み照らす初茜  
そうですかというだけ

寒釣りの果て湯宿へと急ぎけり  
身づくろいってのは、チョイチョイという感じで、わざわざ湯宿でのことではない

初雀今年も我を起こしけり  
「呼び出しの無き年金暮らし」と付ければ面白い

初雀翔ちて深空を展げけり  
これ良いですよ

初鐘や折れんばかりに身を反し  
ちょっとやりすぎたね、除夜の鐘ではないから

寒釣師紫煙くゆらすばかりかな  
紫煙て今時の言葉かね?

寒釣りの汐待つ脚立並びけり  
寒釣りって、海の感じは余り無いね

初雀の鳴き声こもる垣の中  
初雀の」は6音になるが、なければ分からない