12月のもう一言
比呂 |
水槽の鮫の流し目反転す |
しみじみと畑土掴み年惜しむ |
年惜しむという言葉にしみじみ歯含まれてるでしょう、その分をどうつかうかです、添削無ければスカです |
狐火やむかし間引きといふ殺し |
殺しってまあ警察やら犯罪者の隠語であるわけでそんな物騒な言葉で詩が生まれるというもんではないだろうし、直截に過ぎる、 さらにはそれを殺人と言うべきかという問題もあるんだ |
かたかたと鶲来てをり遅昼餉 |
遅昼餉がいかん、なんとかならんか |
一陽来復かぼちや甘めに炊きあげて |
まあそういうことですわな |
美代子 |
鰭酒や呑みほす底の海の色 |
飲み干せば茶碗の色しかないですね |
豆腐屋の喇叭にからむ寒暮かな |
会津びと凍夜の諸味深くつく |
分かりづらいね |
銀の匙窪を満たせり聖夜光 |
窪とは匙の凹みのことだか、何を余分なことを考えるのか理解できん |
手になじむ陶の小道具年惜しむ |
陶の小道具とは何?、性具まで連想しますよ、いけません |
ともこ |
時刻む音を友とし毛糸編む |
こちこちという音と、編み棒の動きが同期しているように |
たて割りの丸太のベンチ銀杏散る |
縦割りってのが横になってるベンチとの関係で? |
素兔ぴよんぴよん渡鮫の橋 |
年惜しむシートのおほふ地震の瑕 |
香り立つ柚子を器に茶碗蒸し |
こういう使い方を柚子釜っていうんだ |
於した |
ヘアカラー染め斑梳くも年の行く |
ヘアカラーが利いてないですね、染め斑で分かるでしょう |
露天湯に光陰揺らし年惜しむ |
光陰というのは歳月のことであり、それで年惜しむでは即きすぎます |
昆布菓子の重い歯ごたえ年惜しむ |
長崎の梅壽軒のもしほ草という菓子はこんなです、だけど昆布菓子ではわからないし、もしほ草っていえば分かりませんし、 ここらが落としどころです |
煮こごりものせて煮鮫をもてなさる |
栃木の人は実感としてあるのが強みだな |
紅紫檀赤あたたかき重さかな |
紅紫檀という花木があるんですね、ピラカンサみたいでもなしだが |
昭雄 |
年惜しむ仁王の臍に日の射して |
鮫打ちてはや暮れかかる番屋の灯 |
日がな鮫を撲殺し続けるほどの大量?理解で金 |
年惜しむ湖に祷りの浮御堂 |
祷りのはどうもいけないですね |
冴ゆる夜の鉄路の果村十戸 |
果は「はたて」と、鉄道の終着駅に戸数十ほどの村があった、ふーんだな、冴ゆる夜が利いてこない |
稚児侍鮫の小紋の太刀飾り |
稚児侍というのはどういうのをいうのか、太刀飾りと言うのは何か、拵えは分かるが、飾りは五月人形などの話のようだ。 鮫の小紋というのも染め物ならあるが、言葉遣いが自分勝手 |
郁子 |
古書店に師の書を見つけ年惜しむ |
全力をあげて欅の散る日なり |
鮫あがる朝が勝負の魚市場 |
確かなる存在として隙間風 |
ここまで理屈っぽくつくられるとちょっとね、ちいさなものなら全部いけてしまうし |
大いなる夕陽を浮かべ枯野原 |
鴻 |
大木の根元飾りて藪柑子 |
景を提示すればよい、綺麗だといっては俳句はお仕舞いなんだ |
冬枯れて我が家の庭の音もなし |
我が家のは余分だな、明らかに |
店先の鮫の歯並び恐ろしき |
小昼まで畑耕し年惜しむ |
農民俳句もこれは良いね |
風もなく小春日和の畑仕事 |
小春日和ってのはこういうもんだ、可もなく不可も無し |
良人 |
高架行く新幹線に年惜しむ |
新幹線は、高架、盛り土が普通で難の発見もない、年惜しむは便利な季語だが、なんでも取り合わせれば良いというのでもない |
街の灯の浮かぶ川面に年惜しむ |
落日に浮かぶ富士影年惜しむ |
富士影ってないでしょう、影富士っていうのも富士山の影のこととしてありますけどちょっと違うんです |
またたける北斗の星に年惜しむ |
夕食のモロの煮付けに母を恋ふ |
兼題の鮫ながら、まさか栃木でも食べていたとは知らなかった、もろ、さがんぼといっているらしいのだが、この句は、 夕食の煮付けとか、母を恋うとか余分が多すぎる |
恵子 |
飴色に垂れて干し柿三つ四つ |
子供の宿題じゃないんだから干し柿が3、4個てことはないんだ |
子を負うて大根洗ふ声高し |
なんか落ち着かないのは、主語がどうなっているのか声高しがどこにかかるのかが分かっているのだが文法的に見えないからだろう |
泥洗ふ白き大根手の赤さ |
声高の句と言い、言葉をあちこちつぎはぎしている、もうちょっと丁寧に言葉を探して情景を詠んで欲しい |
解き刻む音だけ聞こゆ冬至かな |
歳の瀬や山下達郎街に聴く |
聴くは耳をすます聞き方です、たしかに君はきっと来ない、一人だけのクリスマスイブって良く聞くけど、クリスマスソングと歳の瀬ととけるかな? |
敬子 |
聖夜劇主役の子等の蝶ネクタイ |
聖夜劇の主役なら複数でも良いんだが、まあそこらを複数で表現する話かと |
第九果て見上ぐる遙か月冴ゆる |
野外演奏会ってことはないだろう、月が遠くにあるのは当たり前だ |
姫椿日めくりに書く娘の帰国 |
どうしても帰国日としなければ話が見えない |
絵手紙の温もり届く年惜しむ |
今年は温もりを感じる絵手紙が届いていた年であった、そんな年がもう終わるかと思うとザンネンだという句ですが、どんなもんでしょうか |
青鮫の海をとばして空を切る |
分かりません |
健 |
変身や鮫のかまぼこ舌鼓み |
三句切れだし、舌鼓みなんて送り仮名まである、下五はどうしようかといういい加減なのも気に入らない |
松残り陸前高田年惜しむ |
陸前高田が年を惜しんでいるという句です |
持つ鞄中身は何か鮫の皮 |
鮫の皮の鞄と言いたいのだろうが、鞄の中身が鮫の皮だという句です |
年惜しむ爪痕残る瓦礫かな |
年ごとに走馬灯たる年惜しむ |
利孟 |
オノマトペ尽しの歌も年忘れ |
鮫を食ふ鯉を大魚といふ子らが |
山の神戻りて山の深眠る |
玉葱の甘きかき揚げ今年蕎麦 |
誰がつけし柱の疵や年惜しむ |