10月のもう一言
利孟 | |
新瓢二つ割にし布袋の絵 | |
秋麗や食ひ物ばかりの物産展 | |
秋高しソース焼きそばてんこ盛り | |
零余子飯炊いて二人に余る嵩 | |
掌にすくひて温き今年米 | |
比呂 | |
育ちたる土付け売らる大根かな | |
口開かぬ郁子の青さや天高し | |
子牛の背骨桃色に透け秋日和 | |
野の花を添へて艶やか今年米 | |
吟行での話でこんなこともあるだろうという程度の理解はできます けど、ちょっと落ち着きは悪いです | |
割れされうな南瓜に宿る地のめぐみ | |
一構 | |
身に沁むや石の教会窓光る | |
石の教会のとならなければ収まりが悪い | |
職人の皺の笑顔や秋日和 | |
いいですね、まあ、職人の皺とかはよく使う素材ですけど、すっきりできてま す | |
軽々とみどり児抱きて秋日和 | |
昼食の割箸割りて秋うらら | |
道すがら光の中に秋探す | |
信子 | |
諳ずる書道展の詩秋うらら | |
国旗掲げ良夜の伊太利レストラン | |
バスの窓眠らぬ街の寒夜の灯 | |
まだちょっと季節的に雰囲気が出ない | |
秋しぐれ絵硝子展の百灯し | |
凸凹の夜露灯りや銀座街 | |
夜露で明かりが斑に見えたとかいうことなのだろうが、銀座街てのも地方都 市のナントカ銀座なんだろうし見えてこないな | |
敬子 | |
宵の窓少し開けおくちちろ虫 | |
人気無き古刹の真昼ホトトギス | |
身に添ひし衣装整う秋日和 | |
投げキッス傘寿の仕草秋桜 | |
沖縄の93の祝いとかいうのをやってましたね | |
すんなりと孫の下腿や秋の空 | |
これだけ臆面のない孫俳句も珍しいかも | |
昭雄 | |
笹揺れて自然薯掘りの@る気配 | |
町興す広場に子牛天高し | |
鳶が舞ふ県民広場秋高し | |
にぎはいぬ食農フェア天高し | |
郷祭山ほど削る鰹節 | |
削るっていう主体は自分になるでしょう、そうなるとこれが露店か店先だと、 鰹節屋の句ってことになりますがそうじゃないでしょ | |
健 | |
山装い幸のあふれる食フェアー | |
人波や食の広場は天高し | |
豊かなる大地の恵み秋祭り | |
まあ、秋祭りってのはこういうことですが | |
おむすびや紅葉狩りで縁むすび | |
おむすびと縁結びをかけたのね、成功してないね、コウヨウガリての もどうしたものかと思いますね、紅葉狩りとおむすびととで普通につくってみることです | |
秋の日やひねもす食べる祭かな | |
や、かなですが、そんな吟行でした | |
良人 | |
秋日和食農フェアに人の波 | |
秋日差すビルのガラスに仮テント | |
くらいかな | |
軒並ぶ白きテントに秋日差す | |
並ぶと差すと二つの同志がありますから、こうして一方の差すを形 容詞的に使って体言止めにすると句がすっきりと収まります | |
紅葉の並木くぐれば人の渦 | |
天高し出店のテント目に眩し | |
鴻 | |
農機具も展示されてる秋フェア | |
昼げ時秋のフェアは長蛇列 | |
長蛇の列はあっても長蛇列は無いでしょう | |
中秋の収穫祭は人だかり | |
秋フェア好みの果物多かりし | |
好みの果実では独白でしかない | |
自然薯のむかごも売られフェアかな | |
零余子っていえば、山芋、自然薯のってことでしょう | |
ミヨ | |
出来秋や販ぐ若衆栃木弁 | |
木犀や呼吸深深気功人 | |
気功人はないだろうね | |
実山椒健気に摘みし母も亡く | |
なんで山椒摘むのが健気なのかようわからんのです | |
咲き残る曼珠沙華寂ぶ遺作展 | |
取り合わせがなんとも後ろ向きな言葉だけ、曼珠沙華だって、なん となく華やかだけど暗い雰囲気ですよね | |
とんぼ連れ市荷下ろす下野女 | |
面白い景で使えそうだが、下野女ってのは意味がないでしょ、秋田 や越後なら美人でしょうし、土佐ならハチキン、日向かぼちゃなんてのもあるけど、そういうのがないとね |