8月のもう一言
利孟 | |
枝先に相寄る鳩や牽牛花 | |
飾り剪る五彩の紙垂や霊迎へ | |
星月夜狭め武甲の山の闇 | |
炎天を片手に支へ仁王尊 | |
息をつく間もなく馳けて走馬灯 | |
昭雄 | |
尾根といふ大地の背骨星月夜 | |
星月夜嘶く俑の兵馬にも | |
ペガサスに蹴られて目覚む星月夜 | |
たまにはこういう荒唐無稽も良いでしょう | |
朝顔の種懐の母卒寿 | |
閉ざされし塔光年の星月夜 | |
五重塔が改築で公開中止になったからといってそれを閉ざされし塔などとは普通は言わない、そういった言い方はなにやら曰く因縁があって開かずの扉のごときものとしての塔にいうのがふさわしい、光年のって星なら当たり前の話で・・ | |
良人 | |
星月夜足尾の尾根を定かにす | |
朝顔や廃家の軒に垣つくる | |
朝顔の紺に染み入る朝日影 | |
巡礼の背中後押す星月夜 | |
星月夜てのは夕方でなく夜だからちょっとシチュエーションがおかしい | |
朝顔や元末揃ひ花つけり | |
信子 | |
朝顔や子が子率ゐて登校児 | |
登校児の子供って紙の新聞紙です | |
乗せて来し母に低めの茄子の牛 | |
湯上りの項熱る星月夜 | |
父の負ふ幼の背ナの踊り笠 | |
幼ってなによ、ぐちゃぐちゃで整理が必要 | |
噴水の崩す力もありにけり | |
立ち上がって形が定まっているかの噴水がグズグズと崩れ落ちる、水勢が衰えたと言うより別の力が加わったのだということのようだが、噴水のこの手の句は多い | |
ミヨ | |
やまがらの石斧の出し屋敷畑 | |
「やまがらの石斧」と呼ばれるような石斧があるなら別だけど | |
子の握るアンモナイトや日雷 | |
握るでは子供が家でおもちゃにしているかで、日雷という戸外を思わせる季語とミスマッチかなと | |
心張り支ふ谷戸のくらしの星月夜 | |
朝顔や螺旋階段靴音す | |
朝顔の蔓が巻いてるのと螺旋階段を重ねた? | |
野州路の湯治場泊り星月夜 | |
温泉に入ったら星が綺麗だっただけじゃね | |
一構 | |
朝顔や藍の褪めたる剣道着 | |
朝顔の咲き誇りたる朝の日に | |
朝顔や黒き子犬を膝の上 | |
ワタクシゴトに過ぎる | |
朝顔や勅使門には錆の錠 | |
素材、着眼が古いかも | |
星月夜戦場ヶ原をひとりじめ | |
江口 | |
宵を待つ花浮き上がる星月夜 | |
朝顔やひとりひとりの朝餉かな | |
ひとりひとりの食事ってどうイメージするかな? | |
星月夜祭り帰りの肩ぐるま | |
朝顔やガラスお猪口の五六杯 | |
多分ガラスの猪口のようだと見たてたのだと思いますがあまり成功してませんね、飲んでるとすると朝酒ですからねどうもいけません | |
牽牛花こぼれて咲いた去年の種 | |
比呂 | |
指咥へ泣き寝入る児や星月夜 | |
げに長き噂話やかき氷 | |
棚経の僧のバイクに寺の紋 | |
色も香も薄れし夕の茅の輪かな | |
しかじかと大朝顔のやぶれやう | |
木瓜 | |
遥かなる思いで巡る虫の声 | |
思い出巡るって虫の声がか?主語は何なの? | |
朝顔や青の微笑み風に乗り | |
や」で切って連用形で流すと典型的な二物衝撃の形、とすると、青の微笑みというのが朝顔のを言っているのでは無いことになり、はて何のこととなる、生兵法は怪我のもとていうこと | |
ちろちろと邯鄲の夢星月夜 | |
邯鄲の夢って分かって使ってるのか?、季重なり | |
朝顔やひとり鮮やか花開く | |
ひとりって?一つだけの事、自ずからってこと、鮮やかて咲き出しの花ってそんなもんだし | |
星月夜一体空間胸一杯 | |
一体空間とは何?、何が胸一杯なの、空気を吸ったのか悲しみなのか、喜びなのか全然見えてこない、気持ちが先行しても伝える言葉がなければ俳句にならない | |
健 | |
潮騒や浜辺を床に星月夜 | |
怪談や生れにくしの星月夜 | |
流れたる願い届かぬ星月夜 | |
朝顔や遣らずの雨に邪魔されし | |
遣らずの雨にどうして邪魔されるのか?、あら雨だわもう少し帰るのを待ったらていうんだから邪魔される状況じゃ無いでしょ | |
ペルセウス座閃光のごと流れけり | |
ペルセウス座が流れるなんてことはないわけで | |
敬子 | |
語り継ぐ戦争体験星月夜 | |
四角水瓜たたく思案や俄雨 | |
そんな西瓜もありはするけど、何を思案するのか? | |
朝顔の紫紺列なす幼稚園 | |
空蝉の残す姿は黐の木に | |
黐の木に蝉の抜け殻があったと言うだけの事だろうが持って回って言うと分からなくなる | |
秋立つや真顔の車夫の客を待つ | |
真顔の車夫てのがわからない | |
鴻 | |
朝顔の花満開のアーチかな | |
見上げれば流星走る星月夜 | |
見上げるに決まっているものをわざわざのそう言う必要は無い、流星も季語ですから重なってます | |
葉の裏に卵産みつけ秋の蝶 | |
ここまでは事実です、その事実の中に何かオッというものを見つけるのが俳句であと一節が無いのです | |
流星の消えぬ間の願ひ事 | |
そこまではその通り、そこから先の自分のネタをぶつけないと詩にならない | |
夕刻の秋の初風心快し | |