9月のもう一言
利孟
蕎麦の花野小屋の鍵の無き板戸
新酒汲む手塩に黒き五年味噌
金銀の供華の輝き麗かに
秋冷やホーム向ひに待つ列車
灯明の炎の音立てて無月かな
比呂
風見るはどれも雄鶏初野分
奉納の菰の華やぎ新走り
葉は花を花は葉知らず彼岸花
季節が巡る、あんまり上等の発見でも無いし
衰ふる藍瓶一壺秋霖雨
月の雨早ばや下げし供へ物
聖子
解体中のビルの半壊無月かな
ボロ布めく社旗のなびくや九月尽
何が何だかわからん様じゃあんまりでしょ
残業の自転車繰れば虫時雨
残業が自転車こぎってえことは無いんだろうが、そう読むのが自然でしょう
代々の議員の写真無月かな
夜間の議場巡回なんでしょうが、まず分からない
新酒飲む先ず一口は目を瞑り
信子
紐を張る此処は大根蒔くと決め
祭笛吹きにと帰郷療法士
原句は、帰ってきたよただいま、添削句は吹きに帰るんですよと都会でとなります、
ちなみに秋祭もありますが、祭は夏です
男子女子長寿の国の今年酒
山の日の溢れ新米出荷場
新米出荷場なんてのがあるのかは知らず、そう思えるから良いね
胸元の湯音無月の終ひ風呂
シチュエーションがよくわからない
良人
筑波嶺の山の端うすき無月かな
大河の土堤に闇来る無月かな
良い感じ
琴の音のこと更高き無月かな
なんだ、おのろけか!採って損した気分
スカイツリー無月の空に立ち忍ぶ
立ち忍てどういうことなんだろう_
長崎の夜景寂々無月かな
昭雄
献額の竜が口開く無月かな
歩み初む嬰の一歩や酌む新酒
灯台の燈の皓々と無月かな
皓皓てのが、灯台の動く光にそぐう表現なのかなと思うわけ
筑波嶺を背負ふ百戸の星月夜
星こぼれさうな男体山無月かな
星降るような空模様の無月てのは難しいね
敬子
峡の宿山菜づくし無月かな
上6にしても3句切れは避けたい
武蔵名の犬が尾を振る秋日和
武蔵名のてのはどう理解すれば良いのか、日本語じゃないね
朗朗と卒寿の謡敬老日
今年酒蔵を浄むる八代目
そういうもんですかね?
仕来りの新酒授かる三狐神
どんな仕来りなのか、何がどうなのか理解不能
一構
金婚のみちのくの旅新酒酌む
貴婦人の名の白樺や草紅葉
栃木県でしか通じない俳句だけど、それなりに
民宿の膳賑やかに今年酒
新酒酌む澎湃として喜寿を過ぐ
澎湃としてが喜寿とどう響くか?
犬吠える貌は無邪気に無月かな
眼前のものを切り取るとはいえ、特殊です
巴人
広庭のほのかに青し無月かな
酒林とくとくとっくり新ばしり
三句切れですが語感の良さで気になりません
風鳴し杉の香運ぶ無月かな
無月は杉の香を運びませんね、鳴し」で「ならし」とルビを振るなど無意味なというより
無教養を思わせるような冒険はやめましょう
縄繰り酔へば新酒の女神舞ふ
繰り」は、くり、あやつりと読むのが普通、たぐりなら手繰りと表記する方が良い
月に雲白い女の酌を受く
白い女ねえ・・
無月でも雲に明るきところあり
でも」としてはあまりに散文的で只事になってしまう
山小道右も左も葉の紅葉
成人を迎える友に新酒を送る
口語体の斬新な試みだが、ちと無理があるでしょう
溜池に秋の金魚の日向ぼこ
秋の金魚、日向ぼこ季語がちがっている、 景は悪くない
悉人にはげまし奨める新酒かな
意味不明
乾杯と居酒屋の声新酒かな
原句では居酒屋の旦那が飲み回ってるて話になります
今宵また期待外れの無月かな
初勝利新酒で祝う美酒に酔い
新酒と美酒は別物か?、なぜ新酒かも分からない
樽の香の新酒の仕込み輝けり
樽の香てのは、詰めた新しい杉樽の香りで新酒ではないようなもの、輝くはなんだろ、
新酒の煌めくようないろのことかね?
明かりなきわが人生の無月なり
奥さんに御披露なさいませ
輝子
呼び込みの新酒振る舞ふ声高し
香りよし五穀豊穣今年酒
調子の良い句だが、五穀豊穣が納まっていない
鬼やんま睨みきかせて尾を伸ばす
トンボの尾は伸び縮みするものでは無いと思います
もやもやもケセラセラなり秋の空
そうなんですけど、俳句として評価するとどうですかね
葉舞ひて遊ぶ子等の背野分かな
木瓜
無月とは知りつつ外に出でにけり
ふーむ、無月は外に出ないものなのかい?
初の香の開き渦巻く新走
香りが開くて表現はあるが、初の香て音ばは初めて聞く、開くような静かな香り方は渦巻かないでしょう、
どうしてこういう表現が出るのか?おかしいと思わなければいけない
しんしんと思い出浮かぶ無月かな
しんしんと思ひ出浮かぶ無月かな
何事も暫し忘れて新酒つぐ
只事
火が昇る秋刀魚の吐息突き抜けん
秋刀魚を焼く火が燃え盛ってるて言うのだが、吐息をつき抜けたり何を言いたいのか分からん