12月のもう一言
利孟 |
霜柱踏み登校の列乱る |
初氷羽毛の吹かるる畦の鷺 |
猪鍋や宴闌け銃の自慢など |
餅を搗く襷掛けして禰宜と巫女 |
仏壇と神棚に灯をクリスマス |
比呂 |
警策の響き合掌初みぞれ |
古井戸の柱に小幣竜の玉 |
言葉あるごと鳴き合ふ鴉枯野原 |
強霜や布一枚の観世音 |
実際に布を掛けられているのか、薄物まとふ観世音のようなことなのか? |
餅丸む臼に溢るる湯張りして |
餅をつき終わって、臼に湯を張って始末の段取りをして餅を丸める、さて、そんな段取りが見えてくるかね? |
敬子 |
初孫の赤き手形や実千両 |
声上げて嬉々と餅搗く異人かな |
霜柱垣根に猫の出入り穴 |
西国の岬巡りや石蕗の花 |
病状の晴れや曇りや枇杷の花 |
病状に晴れ曇り雨があるんですかね? |
ミヨ |
幾臼や餅搗く僧の藁草履 |
石畳踏んで居留地冬薔薇 |
踏んではちょっと、行けばとかでも良いんでは |
ショベルカー震る都度崩る霜柱 |
工事現場でショベルカーが動いている、そうするとこっちの崖に生えた霜柱がその振動で崩れる、まあそんなこともあるんでしょうけど、目が効きすぎだね |
枯野牛群れて何処も日のまだら |
筑波嶺の空落ちかかる夕焚火 |
雰囲気はこれで良いんだろうけど何か? |
良人 |
餅搗きや朝のしじまに杵の音 |
餅を搗く音声重し相撲部屋 |
ふるさとや霜柱踏む下駄の音 |
ふるさとの人は靴が無いんかいな? |
霜柱畑の盛土に斜め立つ |
ナナメタツ? |
納屋陰に霜柱立ち残り居り |
多分そうでしょうね |
信子 |
一手置く音の響きや霜柱 |
日向に将棋盤を持ち出したりしての光景なのか、一手置くではなんだか分からないし、碁だと石を置くだがそれも分かりずらい |
カクテルとジャズの音メリークリスマス |
枯葦の踏ん張る川の細れ波 |
そんな感じだったんでしょうね、でもよく分からない感じ |
餅搗きや昭和の表裏通り |
結構共感を得たようだが、昭和のとか言われても何が特別かわからないんだが |
若冲の鶏の出を待つ年の暮れ |
昭雄 |
えいおうと餅搗く怒声輪王寺 |
怒声はないね、声、掛け声、気合あたりか、輪王寺もうるさいな、山伏とかはいかがかね? |
霜柱覗きて垂らすネックレス |
こりゃまた随分色っぽい瞬間で、あら霜柱!って屈み込んだらセーターの胸元から金のチェーンか何かがするりと垂れ下がったというんだろうね |
霜柱蹴上げ少年大車輪 |
大車輪てのは鉄棒だろうが、足が地面にはつかないんだろうから? |
良寛の掛字背や餅の音 |
霜柱ぎつしり詰る詩の欠けら |
霜柱の一本一本が詩になってる? |
美恵子 |
峡の里餅搗く度に囃し立て |
霜柱塩で封じる八升樽 |
塩で樽を封ずるは秀逸、なぜハッショウダルなどと間延びする音数を下句に置くのか、イットダルで良いでしょう、別に八升じゃなければいけないってものではないのですから |
霜柱土入りし掌野良着干す |
霜柱息かけて包む赤き指 |
餅搗きや蒸籠の数の湯気上がる |
蒸籠の数の湯気なんぞ着眼はすごくおもしろいのですが、餅搗きでは蒸籠は何段にも重ねて蒸すんでもう一工夫必要なんです |
輝子 |
腕まくり飛び交う気勢餅搗くや |
言葉がおおい |
石蹴りの小石囲みて霜柱 |
光散る宙に蹴られた霜柱 |
状況を作りすぎてないかい? |
餅の音杵を見上げて「よいしょ」かな |
餅の音は無いでしょ、弓取りじゃないからヨイショも特殊だね |
餅搗きの合間挨拶せわしげに |
木瓜 |
麦の芽に汽笛一発出発す |
いまどき汽笛ていったら船くらい? |
明快な言の葉探し落葉刈る |
やることはやつて一服小晦 |
なるほど、比呂さんのやれこれで大晦日が迎えられるという、ギリギリ晦日の一日飾りにしなくて良かったみたいな気分もあるね |
餅搗やパパの掻く手は大丈夫 |
ダイショウフと読ませて頼り甲斐があるねという意味に理解してくれというのは無理だな、ダイショウフと読める人がいてもです、餅をかえすのは、コネトリとか、合いの手というが、掻くとは言わんね、猫じゃ無いんだから |
霜柱踏まれて鋭利掉尾の音 |
霜柱を踏んづけたら、結構鋭い音がした、そして崩れてしまった、霜柱の終わりだから掉尾、鋭いから鋭利、そんな持って回って意味不明な日本語で俳句を作るのは無駄な努力 |
青樹 |
ゴミ漁る親子鴉や霜柱 |
ゴミ漁りなんぞはやはり絵として汚いですよね |
久に持つ杵の重さや餅を搗く |
ヒサニて言葉はあるけど使わないわね |
餅搗きは機械に任せ茶を汲めり |
賃餅を売る店賑わう年の暮れ |
賃餅は売るんじゃなくて手間賃を稼ぐもの、餅と年の暮れ季重なりですね |
捏ね取りの居て搗き上がる餅配り |
捏ね取りと餅配りがどう絡むのか、短絡しないでしょ |
一構 |
霜柱日影に光る山の道 |
どうやらこういうことを言いたい訳ね、原句では山道が光っちゃうからわからないんです |
早朝の犬の散歩や霜柱 |
縁日のおかめひよつとこ霜柱 |
縁日におかめひょっとこてのが? |
笛太鼓祭の夜に霜柱 |
祭てのが夏の季語で、まあ、秩父夜祭、高千穂神楽のような冬のものもあるが、どっちにしても季重なり |
犇くや庭の芝生に霜柱 |
健 |
霜柱落ちた一葉光るなり |
樋口一葉じゃないんだから、イチヨウなんんて葉っぱのこと言わないでしょう |
足音や二重奏の霜柱 |
餅搗きや炊いた白米つまみ食い |
餅搗きの阿吽の呼吸夫婦かな |
田園のお色直しや六花 |
ムツノハナと読ませる六花など難しいのを持ってきたね、お色直しは安直だな |