正月のもう一言
利孟 |
飾り吊る打ち残された錆釘に |
重箱の傷に覚へや節料理 |
龍の棲む池の祠の注連飾り |
初御空江戸そこ此処に富士見坂 |
闇汁や蓋開け閉めの音数へ |
比呂 |
入れる度忍び笑ひや闇汁会 |
小春日や開け放しの農具小屋 |
そそけたる太き藁棒土竜打ち |
夜祭の祭粢御神楽菰被り |
お供え物としてのお神楽、薦被り、難しい言葉をつかうものですね |
白鳥の容喙抗す黒鳥赤き嘴 |
難しいこというわりに音数もおかしいし |
美恵子 |
いも焼酎黒じょかで飲む除夜の鐘 |
繭玉を燥ぎて供えし子は遠く |
初出勤ラジオの賛美歌聴きながら |
正月に賛美歌ってバランス悪いかも、聞く、見るのたぐいの五感はわざわざ言わない、字数の無駄です |
闇汁も蒲鉾紅白祝膳 |
闇汁が祝い膳の一品ってのは分からないが |
凍道を日の出に向かう日の出前 |
ミヨ |
竹爆ずる音の間遠やどんど焼 |
爆ずという古語を使えば、爆ずるだが、ずは否定の助詞でもあるのでどうしても違和感がある |
粗彫の木偶の手足や冬木宿 |
冬木宿は分からん |
鴇いろの空をうすめて初日さす |
うすめるはどうかね |
闇汁や焦げのはんざき匂ひけり |
天然記念物を喰う話しはしない方が |
いぶかり聞く明智平の大初日 |
なんでいぶかるのか?誰も分からん |
昭雄 |
灯の奥の奥に奥ありどんど焼 |
まあ、ことば遊びの句ではありますが |
闇汁や徹頭徹尾地場の幸 |
徹頭徹尾っていうほど大変なことは無いんで闇汁ともなれば更に |
漢等に旧きえにしや闇汁会 |
男がくっつき合ってる句が多いが自己満足だな |
闇汁や決め手はこれぞ唐辛子 |
どんど焼きここにも奉行俺らが村 |
ここにもってその他はどこに?、「も」は使わぬに限ります |
聖子 |
どんど焼灰の温みを見届けて |
火の始末のことらしいけどそれが詩になるか? |
焦げ餅にあやかる福もどんど焼 |
通りがかりのどんどに手と背あたたむる |
闇鍋のまたぎ同士の犬自慢 |
どんど焼に会ひ10年来の友 |
英郷 |
剥き卵掬えず燥ぐ闇汁会 |
剥き栗なぞはあるが、剥き卵はいわんでしょう |
境内の浅さ掘り燃えつるどんど焼き |
どんど焼き巡り来る炎(ひ)に顔反らす |
顔は反らないだろう、炎でヒと読ませるなら、火と書くべき |
闇汁会足許漫ろに子ら燥ぐ |
そんなに子供のはしゃぐようなものでは無い |
長箸や闇汁探る夢を見む |
長箸って菜箸のことなのか、闇汁の夢ってそんな印象的なこと? |
良人 |
星空に焔上りぬどんど焼き |
田面に山と積まれし飾り焚く |
どんど焼炎高くす那須おろし |
飾り焚く煙かき消す焔かな |
闇汁の大鍋の主旧き友 |
鍋の所有者が誰か?なんて俳句かなあ |
木瓜 |
自作なる歪みの取れぬ注連飾 |
自作なるって、言葉が貧困 |
どんど焼き時に壮快破裂音 |
どんど焼きで破裂音ていうのでは分からない |
闇汁に掬ひ上ぐるは腐れ縁 |
大分木瓜調に宗匠も洗脳されて、こんなのでもとったりします |
寄鍋や男二人の味の濃さ |
ダブルミーニングなんだろうが、そういう意味深なつもりが面白くなければ意味なし |
煮凝りや定めし心揺れ動き |
理に合わんだろう |
信子 |
闇汁の闇に触れあふ誰の肩 |
そんなに色気のある遊びじゃ無いけどね |
二の足を踏ん張り掬ふ闇夜汁 |
飾焚く「飾りのほかはお断り」 |
確かに今時そう書いてたりするけど、何でも句材になるってものでは無いね |
なづな粥吹かせ勤めに送り出す |
分かんない |
隊列の楯身に走る寒四郎 |
機動隊の訓練か、出動式か |