コムエンタープライズ UNM167
◆間欠時間
付属の可変抵抗器を回すことで可変できる。
また基板上のDIPスイッチで設定が2種類変えられる。
・走行時:20秒から2秒 (停車時:40秒から4秒)
・走行時:30秒から2秒 (停車時:60秒から4秒)
◆車速連動機能
基板上のDIPスイッチで有効/無効が変えられる。
取説にはカットするケーブルの色と接続する箇所しか書いてありません。詳しいことは何も記載されていませんので独自に調べました。
ワイパーのコンビネーションSWとワイパーアンプに繋がる赤いケーブルをカットして、UNM167の出力(間欠信号)をワイパーアンプに、
UNM167の入力(スタートの検出)をコンビネーションSWに接続するようになっています。
また車速と連動させるため、カーナビのコネクタなどから車速信号を取り出してUNM167に入力するようになっています。
以下推測です。配線図参照
ケーブルをカットしたのでワイパーSWがINTの位置にあってもワイパーアンプは、コンビネーションSWのINTがOFFであると判断するので元々備わっている間欠動作を行いません。
しかし、UNM167を繋げたことで、ワイパーSWをINTにするとUNM167がスタートを検出し、UNMN167の間欠信号1パルスがワイパーアンプに入力され1回ワイパーが作動します。
続いて次のパルスが入力されると再び1回ワイパーが作動します。このようにして間欠ワイパーの動作が行われます。
例えば、殆どの車はワイパーSWを一瞬(0.5秒位)INTにしてみると1回動きますよね。これの連続と同じ動作です。
良く考えた仕組みだと関心しました。
実装部品を簡単に説明すると、基板上部はPICマイコンとその電源用の5V三端子レギュレータ、保護素子、電源用の
電解コンデンサ、逆接保護のダイオード、設定用のDIPスイッチなど。
基板下部は5Vプルアップ抵抗やレベル変換回路、11ピンコネクタなどです。
主な機能はPICマイコンのファームウェアで動作します。
赤く囲ってある部分は個人的に改造した箇所です。
ヒューズ1つ、ジャンパー線1本、コネクタからのケーブル2本、5ピンコネクタを追加
改造については、後ほど説明します。
基板から回路図を起こしました。(二層基板なので簡単でした)
要するにリバースエンジニアリングです。普通に企業も他社の製品を解析するために行っている合法的な手法です。
主な機能はPICマイコンのファームウェアにより動作するので、それ以外の部品はPICマイコンの電源と入出力に必要な電子部品が実装されているだけです。
少し難しかった所は、間欠信号はオープンコレクタ出力であること、車速信号の入力はスイッチングダイオードによるレベル変換
がされている点でした。入力端はすべて5Vでプルアップされていてアクティブローです。
尚、四角に囲ってある部分は個人的に行う改造箇所です。
PICマイコンのファームウェアの内容は大体予想が付きますが、簡単に説明すると可変抵抗の値をADCで数値化し、仕様通りの周期
になるよう算出して間欠信号を出力していることです。
PICマイコンの端子機能についてはデータシートを参考にすると以下のように推測できます。
RA0はアナログ入力のADCで、可変抵抗の値を数値化します。
RA1はTTL入力で、車速パルスをカウントします。
RA2はTTL入力で、ワイパーSWのON/OFFを検出。
RA4はアナログ入力のADCで、設定用DIPスイッチの3ビットの状態を検出します。
→8ピンDIPのPICなので入力ピンが不足だったのでしょう。ADCを使えば入力ピン1本で出来ますからね。
RA5はCMOS出力で間欠信号の出力です。
それからPICマイコンの周囲には、外付けの発振素子が見当たらないので、クロック信号は内臓されているものを使っているのでしょう。
観測条件(DIPスイッチを以下のように設定)
間欠時間 初期設定 説明書によると 走行時:20秒から2秒 (停車時:40秒から4秒)とある
車速連動 無効
間欠時間 ダイヤル右いっぱいの場合
パルス幅 0.5秒
周期 2.5秒
間欠時間 ダイヤル中央の場合
パルス幅 0.5秒
周期 5.5秒
間欠時間 ダイヤル左いっぱいの場合
パルス幅 0.5秒
周期 20.4秒
車速信号を無効にしているので停車時の間欠時間になると思いますが、実際に測定してみると説明書より間欠時間が短いようです。
UNM167の信頼性が気になります。車載用電子部品の規格というものがあり、特に使用温度範囲が気になります。
UNM167はこの規格に準拠しているのか不明です。万が一故障した場合を考慮し、オリジナルに戻せるための回路を追加する改造をしておきます。
オリジナルに戻すための配線をリレーで行います。つまり、UNM167を切り離してワイパーINT信号を元に戻します。
使用するリレーはコイル電圧12VのC接点2回路です。リレーがOFFでオリジナルの状態になります。
車を運転中に手探りで切り替えが出来るように、ステアリングコラムのパネルに取り付けるスイッチ付きの可変抵抗器で行うのが良いと
思います。
・可変抵抗器はスイッチ付きのものに交換します。
・リレーはハンダ付け後収縮チューブで保護します。
・ステアリングコラムのパネルに取り付ける作業が楽になるように5ピンコネクタと2ピンコネクタを使うことにしました。
・赤いケーブルはワイパーSWのコネクタから出ているケーブルに接続する。(INT_IN と INT_OUT)
おたのしみに!