海防艦て、正直全く興味なかった艦種だったのですが、模型屋さんの店頭で見かけて、なんかかわいいし、値段も安かったんで買ってきてしまいました。
キットは二隻セットで、フルハルが選択でき、日振型の前/後期、合計九種類を作り分けることができて楽しいです。
九隻のうちのどれを作ろうかと思ったときに、「大東」という名前が目に止まりました。
覚えのある名前です。なんだっけ?あ、そうだ。十代末期の頃読んだ小説「機雷」に出てきたはず。
小説「機雷」は、たしか(掘り出せないんで40年前の記憶によると)花のエリート路線である帝国海軍兵学校を出ながら日陰の海防艦に配されていじけて嫌な人になっちゃった主人公が、めんどくさい人として周りの様々な海の男達と交わりつつ、機雷・・・米軍の、B29を使って空から戦略的に敷設して日本の港湾を麻痺させ海上交通を締め上げてゆくいくという機雷戦戦略と、そこで使われる、帝国海軍が知っている従来どおりの触覚付き機雷と全く違った概念の磁気感応機雷、しかも、その信管は、頭上の船舶の最初の航過で作動するときもあれば、数回航過されたあとで起爆するかもしれないランダム作動であって、まさに悪意の塊のような陰険な設計の代物であるという説明があります・・・という悪意の塊との戦いをつづけながら、なにか救われるものを見つけていくという物語で、当時非常に感動して読んだ記憶があります。一章がまるまる「大東」って題だった記憶。なんで初期型は大東でいくことに。
たしかに掃海戦重視の装備であります。

後期型はどれがいいかなってウイキペディアとか見たら、「四阪」って船は、宗谷と組んで憎っくきアメリカ潜水艦をとっちめつつ、終戦まで一人も戦死が出なかったって、「四」がつくのにめでたいなってので「四阪」のつもりで作ってみました。
後期型はみんな一緒っぽいですが。
キットの説明書は各艦の対空兵装の違いをわかりやすく図解しててありがたいです。
キットの洋上用平船底は飾り台に流用しました。まっくろく塗るとなんか素敵。
二隻の違いは、対空兵装と艦首高角砲の波除け、爆雷装備の数とパラベーンを即使えるかどうかくらいでしょうか。
工廠別のグレイのちがいって、九隻全部同じ造船所なんで同じ色なのでは?
受領してから塗り直すとも思えないし。
ただ、砲とか爆雷とかレーダーとかパラベーンとか測距儀とかの官給品は船体とは色が違うかも。
前部高角砲の盾はどうも重巡や空母とかからのお下がりらしく、在庫状況で各船で形が違うっぽい。
このキットを買ってカルチャーショックだったのは、甲板の色です。
「甲板メッキ部分」って書いてあって指定はなんかグレイなんですが、ぐぐったら亜鉛メッキのまま、みたいな事書いてるとこもあって、マジか!って思いましたが、駆逐艦とかで甲板のリノリウム剥がしたら日光で艦内が耐え難くなったみたいな記述があったので、遮熱にはいいのかもしれないと思いこんな色(フラットアルミ)にしてみました。でもライトグレイ塗装なのかもしれない。
横須賀港で朝や夕に低い位置からの日光を反射する軍艦のグレイって、銀色に見えます。って言い訳してみる。
今回、タミヤから出てた「軍艦雑記帳」上下巻を多分十数年ぶりに読みました。すごくためになったです。今でも買えるのかな?
錨鎖の話とか、今まで興味なくていい加減に読んでたんですが、今回はちゃんと読んだ。そういうところでも新鮮だった。
でもって、今回は割と早めにスクリューパーツを付けといたんですが、四坂の左舷スクリューがいつの間にか・・・亡失・・・orz
多分出てこないと思うので、自作することにしました・・・
キットのスクリュー直径はおよそ3.9ミリほど。キットのランナーの直径は4ミリなので、これを削り出すことにします。
中心に穴を開けて、3方向にリューターで切れ込みを入れ、残った部分を翼としてピッチ方向に斜めに削り・・・
部品飛ばし防止のために真鍮線の軸を突っ込んでから、それをエッチングソーで薄く切り離し、翼の逆側も斜めに削って薄くして、別に作った0.88ミリプラ棒から削り出したキャップを接着。
ちょっとデカかったかなw
パット見はバレないでしょうw・・・いやっ!そんなに見ないでっ!
ばれないばれない・・・
スクリュー軸は0.3ミリの真鍮線に置き換えてます。なのでスクリューを削り出すとき使った真鍮線は使えない・・・しかして削るとき突っ込んだ真鍮線は抜いて、0.5ミリの真鍮パイプに置き換えてってめんどくさかったです。
神風型と比較。
老兵と急造の若者が並んで護衛活動してたのですな。
帝国海軍は世界一キットに恵まれた海軍だと思います。
文化として世界に誇れると思う。