この飛行機の主脚は、上図のように三本の柱から構成されています。図は左翼やや前下方から見たところです。三本の柱をそれぞれ役目別に色分けしてみました。
正面から見ると、これら三本の柱は図のような構成になっていますが、実際には黄色い主主脚柱の後の赤いスライドするアームはほとんど一直線にならんでいます。図は、見やすくするために少し大げさに表現しています。

折畳みの順序は、まず、コックピットでパイロットがハンドルを回すことで、ここには図示されていない、ホイール中央からタイヤウエル中央のあなを通して機体に通じるワイヤを巻き上げると、同時に、図中赤で示した柱の、翼側の基部が外翼側にスライドを始めます。このスライド部は、ホイール中央のワイヤと機内でつながっているのでしょう。

赤いアームが外翼側にスライドすると、(図では上下にぶれてますが、これはわたしのミスです。レールは真直ぐなのです。すいません)緑と赤のアームがはさむ角が少なくなって、0度に近づきますが、赤いアームのほうが全長が短いので、緑のアームは機体側に倒れてゆきます。(当然赤いアームと一緒に。)

それらの動きにつられて主主脚柱(黄色)も機体側に倒れてゆきますが、緑のアームが外翼側に置いてゆかれる形になるので結果的に主主脚柱を後方(機尾側)に引張るので、正面から見た主主脚柱のみかけは縮んでゆくように見えます。(ここでは縮んでいるように見えますが、実際は基部のカルダンジョイントのおかげで後ろに倒れながら畳まれてゆきます。(※最終的にはタイヤ中心についたケーブルが引っ張り上げます。ケーブルは引き込み時には必須の部品のようです。)

おもしろいことに、この飛行機の緩衝部は主主脚柱付根部分にあります。初期型は断面が歯車型のピストン(上側)を、筒内に銃身のようなミゾ(螺旋ではなく直線ですが)を彫った主主脚柱にはめ込むことでよれ止めにしていましたが、この方法は重たくて作りにくい割りに強度がないので、後期型ではただのパイプの組み合せに変更されています。(こっちは資料がどっかいっちゃったので見つけたらご報告いたします。)

この方式は同時代のドイツ機にも見られるので、例の秘密協定での技術交流の結果なのでしょう。どっちが提供したのかは知らないけど。でもアメリカ人のアイデアかもしれない。

 

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ハインケル70の脚 ユンカース86の脚