アドミラル・シェーア。
ドイツ高海艦隊を率い、ジャットランドバンク海戦を戦った提督の名を受けた装甲艦。
1940年10月末から41年4月まで、大西洋からインド洋まで、イギリス海軍の追跡の網に全くかからずに交通を荒らし回った武勲艦です。
外国からは「ポケット戦艦」と呼ばれた、通商破壊に特化した軍艦で、1940年時点では「重巡」に分類されていました。
公称の排水量は一万トンですが、実際は一万二千トンで、この辺の不誠実さは我が帝國海軍と似たものがあります。
とはいえ、このフネが1940〜41年の半年間にあげた九万一千トンの戦果は、ドイツ海軍水上艦艇では最高スコアで、有名な姉妹館の「グラフ・シュペー」をしのいでいます。有名なのはシュペーの方ですが。
シュペーはいっぱいキットが出ていますが、このシェーアは活躍の割に人気がないようで、キットは出ても
シュペーの箱替えみたいなのばっかです。
たしかに、1939年まではシュペーみたいな艦橋マストだったのですが、シュペー喪失後に、特徴的すぎる艦橋マストは通商破壊作戦では目標から識別されやすすぎるとなったようで、ヒッパー級に似せた艦橋構造に改装された、件の通商破壊作戦時以降の姿を再現していないのです。
これまで、その姿で出たキットは、知る限りエレールの1/400のみです。
フライホークがこのキットを出してくれたことを偶然知ったときは、迷わずポチりましたよ。
ありがとうフライホーク!
ハヤカワ文庫の「ポケット戦艦」という本に巡り合ったのは、中学生だったか、高校生だったか、それまでシェーアなんていうフネは知りませんでしたから、とても興奮したのを覚えています。
敵の軍艦との交戦は避ける。という原則は、中二心には目からウロコでした。
また、「赤道祭」というイベントを知ったのもこの本からで、その他、卵油槽船を拿捕して卵インフレを起こすエピソードとか、魚雷を発射したら戻ってきた話とか楽しくて、現在絶版なのはとても残念です。
今回も砲塔と魚雷発射管、測距儀と機銃は回ります。
相手は商船なので、主砲はいよいよまで使用せず、基本は片弦4門の15センチ砲と37ミリと105ミリの高射砲でカタをつけ、できれば威嚇だけで拿捕して回航班を乗り込ませて積荷ごとドイツへ送るというのがドイツ水上艦の基本です。
拿捕した丸腰の船に乗って、一人ぼっちで本国を目指す回航要員と、丸腰で会合点を目指す補給船、そして武装商船のフロンティアスピリットを尊敬します。
持てる限り、有り余る数の軍艦を、戦艦まで使い捨て扱いで戦闘に投入できる英海軍と、持たざる海軍の戦略は、やはり持たざる方に勝ち目はなく、これ以後ドイツ海軍の通商破壊戦は潜水艦も含めて先細りとなっていきます。
シェーアの冒険は、黄金時代の輝く一瞬のきらめきなのです。
シェーアの黄金時代の姿の象徴である改装後のマスト艦橋。
フライホークのキットは気合い入りまくってて、見張り装置とか対空機銃とか細かい部品がいっぱいだし、分割もこまいので、完成後まっすぐたってるように見せるのも注意が必要です。
戦艦の砲塔で、一番素敵なデザインは、ぼく的にはこのドイツ軍の三連装砲塔です。
口径28センチという主砲は、列強の36センチとか40センチに比べると非常に見劣りするものですが、射程に劣るわけではなく、重量300キロで音速の数倍でぶつかる砲弾のエネルギーは侮りがたいと思います。
キットの指示では防水キャンバス付きの砲身パーツを固定接着するようになっていますが、別に可動させられる砲身パーツも入ってるので、可動に組んで遊べます。もちろん可動にして遊びますよ。
三本ある砲身の一本だけ下げて連装砲っぽく見せて英巡のフリをして近づく、といったシチュエーションも楽しみたいものです。
ドイツのすごい高角砲。
37ミリと、この105ミリ高角砲は砲の軸がジャイロ安定式で、船の揺れから独立して安定した照準ができるオーパーツです。
もちろんそんな再現はできないので、俯仰だけ可動に。
砲身が長いのに旋回圏は小さくという工夫が独特でかっこいいです。
クレーンを可動に。
クレーン的なクレーンはこの左舷のものですが、反対弦にはブーム式の単純な構造のがついてます。そっちは固定しちゃったけども、クレーンは可動にしました。
こっちは飛行機の積み下ろしに活躍するようですが、キット付属のアラド196水上機は、フライホークのプラが脆いのもあって、ランナーから切り離そうとしたら翼が砕けちゃった・・・
しょうがないからピットロードの196を作ったんですが、こっちのほうが似てる気がする・・・写真撮り忘れました。
測距儀は回るように組んだのですが、後部指揮所の測距儀の上の小マストは測距儀と一緒に回らないらしい・・・
艦尾舷側から張り出すパーツの指定があったのですが、これがもうもろくて砕けたんで真鍮線とハンダででっち上げたんだけど、これって航海時は畳んでるんじゃね?気力が尽きたんでそのまま。
お風呂で遊ぶために上部のいらない構造は切り抜いて軽量化します。
この加工がいつも一番めんどくさくて手間がかかる。
次は機銃とかの旋回可動工作かな・・・
おかげさまでちゃんと浮きます。艦底には板鉛のおもりね。
艦橋後ろの見えないとこの構造がなんかかっこよかったんで記念撮影。
このキット、艦尾に陸軍の3.7センチFLAKをつけるようになってんですが、ピンセットで摘んで、飛ばした・・・
しょうがないのでスクラッチしたです。
その後グナイゼナウ作ったら不要部品でいっぱい入ってたw
今回の新兵器。
焼きドメにすごく便利。
押し付けちゃだめで、灼熱した先端を近づけるだけでいい。勝手に部品先端が丸まります。
いい買い物でした。