「このバッグ(赤い鯉のぼり柄のポーチ)、カールヘルムの定番なんだけど、原型はアーミーなんです」
真っ赤な地に、鯉のぼり。こんな愛らしいカバンが、兵隊さんのもの!?
「バッグ、特に男ものというのは機能的でなくちゃしようがないと思うんです。男がデカイカバンを毎日ぶらさげて歩く、というのもあまり好きじゃないんです」
内部にはキルティングがほどこされ、衝撃にも強いように工夫されてます。
「男の必需品――財布、キー、タバコにライター、それに眼鏡くらいはラクに入る収納力はあります。現に僕も同じサイズで革製のものを毎日持って歩いてるけど、不自由は感じない」
それに、何より鯉のぼり。
「同じ柄のアロハも作っているんですが、カバンのほうが抵抗なく”男のハデ”を実践できるんじゃないかな」
靴も、やはり定番商品です。
「知り合いのスタイリストがパリで買ってきたアンチックの靴が素敵でね、ほんとのこというと、真似したわけ」
自社ブランドを身につけることが多い金子さんですが、いわゆるブランドものも、たくさん持ってます。
「例えば、このウエストンの靴(写真下)。木型が違うのかもしれないけれど、もぉ、痛くて痛くて、涙なくしてはけないんです。それでも、持っていたい。人にもあげたくない」
新品のエルメスの書類カバン(写真下)も、スケッチブックを入れて、デッサン旅行に出かけるつもりですが……。
「結局、時間に追われてオフィスの片隅でデザイン画描いちゃうだろうね。このカバンを使うこともないかなあ」
夢と現実、なかなか一致しませんね。
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| J.M.ウエストンのローファーとエルメスのブリーフケース (金子さん私物) |
クロワッサン1988年6月10日号(No.254)より